2022年の米国におけるアナログレコードの状況が判明しました。米国で2022年に販売されたアルバムのアナログレコードの“25枚に1枚”がテイラー・スウィフトのアルバムでした。米国のエンターテイメントデータを収集・解析するLuminate(旧:Nielsen Music)の2022年年末レポート(Luminate Year-End Music Report)を基に米ビルボード誌が報じています。
2022年、米国では2年連続でアナログレコードの売上額がCDの売上額を上回りました。Luminateが1991年に音楽販売の追跡調査を開始して以来、2回目です。
米国では17年連続でアナログレコードの売上が伸びています。アルバムのアナログレコードの販売枚数は前年比4.2%増で4,346万枚。Luminateが1991年に音楽販売の追跡調査を開始して以来、最大の年です。
2022年、アルバムのアナログレコードの販売枚数のトップは、94万5000枚を販売したテイラー・スウィフトの『Midnights』で、これは単に年間販売枚数のトップというだけでなく、Luminateが1991年に音楽販売の追跡調査を開始して以来、最大でした。
スウィフトはまた、2022年に米国で最もアルバムのアナログレコードを販売したアーティストでもあり、アルバム全体では169万5,000枚を販売しました。これは、2022年に米国で販売された全アルバム・アナログレコードの25枚に1枚がスウィフトのアルバムだったということになります(4346万枚のうち1695万枚)。スウィフトの複数のカラー・ヴァイナルをリリースしています。
2022年に米国で販売された全アルバムの43.4%がアナログレコードでした。デジタルとフィジカル(CD、アナログレコード、カセットテープほか)を合わせた全フォーマットの売上1億0900万枚のうち4,346万枚。また、フィジカル内では54.4%がアナログレコードでした(7,989万枚のうち4,346万枚)。
2022年、アナログレコードで5万枚以上売れたアルバムは計88枚で、2021年の87枚から増加しました。一方、2022年に5万枚以上売れたCDのアルバムは56枚でした。2021年の67枚から減少しています。
米国でアナログレコードの売上が毎年伸び続けている一方で、レコード購入者の半数しか実際にレコードプレーヤーを所有していないことがLuminate社が委託した調査により明らかになっています。過去12ヶ月間にアナログレコードを購入した13歳以上の回答者に、所有している機器について質問したところ、レコードプレーヤーを所有していると回答したのは50%にとどまりました。
2022年、米国で販売されたアルバムのアナログレコードの48%がインディーズレコードショップで購入されたものでした(4346万枚のうち2092万枚)。2位はインターネット/通信販売/会場(32.8%/4,346万枚のうち1,426万枚)、3位は、TargetやWalmartといった量販店(13.6%/4346万枚のうち590万枚)。
■2022年米国レコード・アルバム売上トップ10
1. Taylor Swift, Midnights (945,000)
2. Harry Styles, Harry’s House (480,000)
3. Olivia Rodrigo, Sour (263,000)
4. Kendrick Lamar, good kid, m.A.A.d city (254,000)
5. Fleetwood Mac, Rumours (243,000)
6. Tyler, the Creator, Call Me If You Get Lost (211,000)
7. Taylor Swift, Folklore (174,000)
8. Tyler, the Creator, Igor (172,000)
9. Michael Jackson, Thriller (168,000)
10. The Beatles, Abbey Road (160,000)