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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』総勢140名の証言によって炙りだれる製作の裏側 口述記録集発売

2023/01/12 19:37掲載(Last Update:2023/01/12 20:12)
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血と汗と鉄にまみれた完成までのデスロード 「マッドマックス 怒りのデスロード」口述記録集 (仮)
血と汗と鉄にまみれた完成までのデスロード 「マッドマックス 怒りのデスロード」口述記録集 (仮)
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。総勢140名の証言によって炙りだれる製作の裏側。二十年にわたる製作の真相を伝える書籍『血と汗と鉄にまみれた完成までのデスロード 「マッドマックス 怒りのデスロード」口述記録集 (仮) 』が竹書房から2月22日発売予定。
■『血と汗と鉄にまみれた完成までのデスロード 「マッドマックス 怒りのデスロード」口述記録集 (仮) 』
カイル・ブキャナン (著), 有澤 真庭 (翻訳)

<内容>
「なぜいまでも撮影中じゃないのか、  何百人も死者が出ていないのか、わけがわからない」 ──スティーヴン・ソダーバーグ[監督]

総勢140名の〝証言〟によって炙りだれる衝撃の製作の裏側!

アカデミー賞6部門受 賞、史上最高のアクション映画と讃えられる『マッドマックス 怒りのデス・ロード』だが、本作が劇場公開にこぎつけたのは奇跡だった……

『マッドマックス』の世界では、語り手のさじ加減ひとつで、記憶が伝説となる。

過去の物語は〝歴史を作りし者たち(ル:ヒストリー・ピープル)〟から熱心な聞き手へと受けつがれ、何度もくり返し語り直されていくなかで、ことの真相はそれをまとめあげる聞き手の裁量に委ねられる。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の二十年にわたる制作の真相を伝える本書は、おもに総勢一三〇余名に著者が新たにおこなったインタビューで構成してあり、キャスト&スタッフはもとより、この映画の著名なファン多数からも話をきいた。

・・・・・・・

アカデミー賞の6部門を受 賞し、史上最高のアクション映画と讃えられる『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

だが、本作が劇場公開にこぎつけたのは奇跡だった……そして、無事に撮影を生きのびた者がいたことは。

現代の古典たる本作が完成にいたる道のりはほぼ20年におよび、監督のジョージ・ミラーは不測の事態に何度も翻弄されながら、ハリウッドでもまれにみる困難な撮影を達成しようとした。

数度にわたり製作は立ち往生、主演のトム・ハーディとシャーリーズ・セロンは過酷な環境のナミブ砂漠でたびたび衝突し、ミラーのスタッフが繰りだす命知らずのアクションシーンは危険極まりない撮影となった。

ハリウッドの名だたる業界人ですら、彼らのやり遂げたことにとまどいを隠せずにいる。

そのひとり、スティーヴン・ソダーバーグ監督いわく「なぜいまでも撮影中じゃないのか、何百人も死者が出ていないのか、わけがわからない」。

著者のカイル・ブキャナンは、映画製作のあらゆるステップを克明かつ臨場感たっぷりに体験させてくれる。

『怒りのデス・ロード』の意外な起源から、奇抜なキャスティングの過程、世紀の傑作を危うく骨抜きにしかけた大手スタジオとのバトル──。

だがブキャナンが最も奥深く切りこんでいくのは、撮影の舞台裏に隠れる驚くべき真実だ。

そこでは常軌を逸するあまり、映画の空想世界がキャストとスタッフの実生活を浸食しはじめる。

自分自身の《荒野(ウェイストランド)》で闘い、ぎりぎりで持ちこたえながら前進するには唯一、監督の《マッドな》ヴィジョンを信じる以外に道はない。

とはいえ、すべてが裏目に出るような状況で、ミラーはいかにして己のヴィジョンを貫きとおしたのか?

百数十名もの人々におこなったインタビュー、そして『怒りのデス・ロード』の内幕をつぶさに読んだ読者は、否定しがたい結論に達する。これほど汗みずくになり、炎で鍛えあげ、スケールのでかい映画がつくられたことは、かつてなかったと。

この映画に出演したことがどれほど大きな意味を持つか、

とても言葉にはできない。

もうもとには戻れないほど、ぼくは変わった

──トム・ハーディ

間違いなく、これまででいちばんたいへんな仕事だった。

撮影で負った〝体が覚えている〟レベルのトラウマを、

いまだにぬぐいきれないほどね。

──シャーリーズ・セロン

これは、自己保存についての物語だ。

相手を殺すことがきみに利するならばそうすべきで、

ためらう余地はない。そんな情緒が、俳優たちに影響したんだと思う。

──ジョージ・ミラー

現場ははっきりいって、カオス状態だった。

──ニコラス・ホルト

撮影終了間際になって、どれほど深くうさぎ穴を落ちたのか、

みんなやっと実感したんじゃないかな。

──ゾーイ・クラヴィッツ

だけど撮影で味わったつらい体験も演技に生かせたはずよ。

現場が大混乱だったことが、あれほどすばらしい映画になった理由だから。

──アビー・リー

<著者について>
カイル・ブキャナン
Kyle Buchanan
〈ニューヨーク・タイムズ〉紙のポップカルチャー担当記者。映画賞シーズンには〝ザ・プロジェクショニスト〟として同紙にコラムを執筆している。ナショナル・アーツ&エンターテインメント・アワードのジャーナリスト・オブ・ジ・イヤーを受賞。〈ニューヨーク・マガジン〉誌のウェブサイト〈ヴァルチャー〉編集主任時代は映画業界をレポートした。南カリフォルニア生まれ、ロサンゼルス在住。
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