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ザ・スペシャルズのホレス・パンター、テリー・ホールが亡くなる前の状況をSNSで詳しく説明

2022/12/21 15:35掲載(Last Update:2022/12/21 15:38)
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The Specials
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ザ・スペシャルズ(The Specials)のベーシスト、ホレス・パンター(Horace Panter)は、テリー・ホール(Terry Hall)が亡くなる前の状況をSNSで詳しく説明しています。ザ・スペシャルズの新アルバムを制作する準備が整い、いざレコーディング、というタイミングで、ホールが病に倒れたという。

「ザ・スペシャルズ。テリー。これが起きたこと。

僕たちはすべての計画を立ていた。2020年にやる予定だったアルバム、つまりレゲエのアルバムを作るつもりだった。

11月にロサンゼルスでレコーディング。スタジオを予約し、飛行機代も払い、宿泊先も手配した。(ロサンゼルスのレゲエ・バンド)アグロライツ(The Aggrolites)のロジャー・リヴァスが共同プロデュースする予定だった。ジャケットはシェパード・フェアレイが担当する予定だった。

リンヴァル(ゴールディング。ザ・スペシャルズのメンバー)は今年始めに受けた脊椎の手術からまだ回復していなかったが、英国に滞在しており、準備万端だった。テリーは8曲の骨組みを持っていた。自信満々だった。Nikolaj(Thorp Larsen。ザ・スペシャルズのツアー・メンバー)と合流し、魔法を作ることになった。これが9月のことだった。

テリーは皆にメールを送り、胃腸炎で寝込んでいて、最初の週のプリプロダクション・セッションを行えないと伝えた。大したことはない、1週間遅らせればいいんだ。僕たちは11月4日まで飛行機に乗る予定はない。次の週、テリーの病状は好転せず、入院してしまった。僕たちにできることは、彼が回復するのを待つことだけだった。10月2日の日曜日、マネージャーのスティーヴから電話があった。

そして、すべてがダメになった。 
テリーの病状は思っていたよりずっと悪かった。
膵臓の癌と診断され、肝臓にも転移していた。
深刻だった。命にかかわるような深刻さだった。
膵臓が侵されたために糖尿病になってしまった。まずこれを治療し、次に化学療法を行う必要があった。
誰もできることはなかった。何もできない。
テリーは、このことを誰にも言わないでほしいと強く願っていた。もし、誰かに聞かれたとしても、彼は糖尿病の管理をしていると言っていた。

化学療法は順調にスタートしたが、仕事ができる状態になるのは、早くても2023年3月のようだった。糖尿病を安定させるためと、痛みの管理のために入退院を繰り返した。
その後、静かになった。
12月に入り、報告は良くない。テリーは体重が激減し、とても弱っていた。友人のイアン・ブロウディがマネージャーのスティーヴを訪れ、電話をかけてきた。彼はテリーが衰弱していくのを心配していた。

12月15日、マネージャーのスティーヴは車でロンドンを訪れた。彼は帰途、僕に電話をかけてきて、状況は思わしくないと言った。テリーは死にそうだった。翌日、彼はモルヒネを投与され、ほとんど意識がない状態になった。僕は見舞いに行くのが一番だと思ったが、妻のリンディが反対した。彼女は電話をテリーの耳に当て、彼の姉妹とリンヴァルが別れを告げられるようにした。リンディは、僕もそうしようと言った。だから、そうした。つらかった。

テリーは、翌日12月18日(日)の夕方5時半ごろに亡くなった。
世界は唯一無二な歌声を失い、僕は良き友を失った。

ホレス」