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“フルサイズの人型ロボットにドラム演奏を教えてみた”映像が話題に MIDIファイルを解析してドラムビートを生成

2022/12/15 14:26掲載
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Xiaomi CyberOne Drumming
Xiaomi CyberOne Drumming
“フルサイズの人型ロボットにドラム演奏を教えてみた”映像が話題に。中国の大手家電メーカーXiaomiは、フルサイズの二足歩行ヒューマノイドロボット「CyberOne」にドラムを演奏することを教え、そのパフォーマンス映像を公開しています。このロボットはMIDIファイルを解析してドラムビートを生成しているという。

Xiamoiの担当者は、IEEE Spectrumの取材に応じ、なぜ人型ロボットにドラムを演奏することを教えたのか話しています。

Q:研究の成果を示すために、なぜドラムを選んだのですか?

「8月11日にXiaomi『CyberOne』を正式発表した後、ロボット工学のバックグラウンドを持っていない一般の方から多くの反響がありました。彼らは、人間がなかなかできないことを人型ロボットがやってくれることに、より興味をもってくれているようです。正直なところ、『CyberOne』の試作1号機は人間に遠く及ばないことが分かっているので、そうしたシーンを見つけるのはかなり難しいです。

しかし、あるとき、ドラムを始めたばかりのエンジニアの一人が“ドラムは例外かもしれない”と言い出したのです。彼女は、新人ドラマーに比べれば、手と足の協調運動やリズムコントロールにおいて、人型ロボットの方が有利だと考えたのです。私たちは皆、いいアイデアだと思いましたし、ドラム演奏自体も超クールで面白い。そこで、私たちの研究を実証するためにドラム演奏を選びました」

Q:この研究で一番苦労したことは何ですか?

「今回の研究で最も苦労したのは、ドラムビートの長いシーケンスを受信するとき、『CyberOne』はハードウェアの制約の中で、各腕と脚にシーケンスを割り当て、衝突のない連続した全身の軌道を生成する必要があるということでした。そこで、基本的なビートを抽出し、最適化によってドラムビートの動作軌道ライブラリをオフラインで構築しました。そうすると、『CyberOne』は、どんなドラム譜にも整合する連続的な軌道を生成することができます。この方法なら、ドラムを演奏する『CyberOne』の自由度は高く、ロボットの性能にのみ制約されることになります」

Q:この研究によって、将来的にはどのようなことが可能になるとお考えですか?

「ドラムを叩くためには、『CyberOne』の全身の動きを協調させ、速く、正確に、そして大きな可動域を実現する必要があります。まずはハードとソフトの両面から、私たちのロボットの限界を見極め、次世代設計の参考にしたいと考えています。また、今回の研究を通じて、ロボットがさまざまな楽曲を演奏するための自動ドラム演奏方法を一通り形成することができましたが、この経験は、ロボットが演奏する他の楽器の開発をより迅速に実現することにもつながります」