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「俺の人生はずっとヘヴィメタルだ」 FPSゲームの原点『DOOM』のクリエイター ジョン・ロメロがメタルの影響について語る

2022/12/14 20:30掲載
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“Doom” for PC (1993)
“Doom” for PC (1993)
「俺の人生はずっとヘヴィメタルだ!」。FPS(ファーストパーソン・シューター)ゲームの原点『DOOM』のクリエイターの1人、ジョン・ロメロがヘヴィメタルの影響について、英Metal Hammer誌のインタビューの中で語っています。

Q:ヘヴィメタルが『DOOM』のインスピレーションになったのですか?

「“ヘヴィメタルのゲームを作ろう”ってわけじゃないんだけど、俺の人生はずっとヘヴィメタルだったんだ! 80年代に育ったからね。常にメタル一色だった。ものづくりをしているときは、いつもメタルが流れていて、クリエイティブな影響を受けているんだよ。

幼い頃はラジオから流れてくるトップ40の曲ばかりだったけど、イギリスに引っ越して、米軍基地内の学校に通うようになったんだ。そこにヘヴィメタルを聴いている子がいて、聴いたことがあるかと聞かれたので、“いや、ない”と答えた。すると彼はブラック・サバスを流し始めた。俺は“これはすごい!”と思った。彼はブラック・サバスのアルバムを全部貸してくれたんだ」

Q:何か特別なことが起きているという感覚はあったのですか?

「ああ、確かにね。当時は80年代メタルの世界が爆発的に広がっていて、NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)があって、ちょうどグレイト・ホワイト、ドッケン、(モトリー)クルーといったLAのシーンが出てきた頃だった。もちろん80年代のポップミュージックも全部好きだった。トンプソン・ツインズ、マドンナ、デュラン・デュランとかね。俺はメタル一派には属さず、みんなと友達だったんだ」

Q:音楽だけでなく、RPGなどもモラル・パニックの時代だった

「77年に『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を始めた。サタニック・パニック(※悪魔崇拝が疑われる者に対するモラル・パニック)はニュースで見たけど、何も変わらなかったよ。“ああ、世の中には馬鹿な人がいるんだなぁ”という感じだった。D&Dは基本的にすべてのビデオゲームに影響を与えている。マップ、キャラクター作り......」。

Q:『DOOM』がもたらす影響について、ある程度は理解していたのでしょうか?当時は人々を怖がらせ、大きな論争を巻き起こしました。

「僕たちはそれを無視していた。気にもしていなかった。自分たちが遊びたいゲームを作っていたんだ。メタルの美学も持っていたよね。まさに自分たちが作りたかったものだった。そして超楽しかった。それだけだった。それを世に送り出したんだ。ここには悪魔がいる。いいことだろ?地獄の悪魔を殺しているんだから。これが誰の目にもマイナスに映るわけがない。もしこのゲームに腹を立てるような人がいたら、その人はこのゲームを理解していない。でも、『DOOM』をリリースする前日には、議会でビデオゲームの暴力に関する会議があって、『Mortal Kombat』と『Night Trap』でビデオゲームにも年齢指定が必要だと言っていたけどね(笑)。

Q:とてもメタルな感じのするゲームでしたね。

「ソフトウェア会社は7階建てビルの6階に入っていて、入居後に部屋番号を666に変更したんだ」

Q:アイアン・メイデンのファンだったんですか?

「そうだよ。一番好きだったのは『Piece of Mind』と『Powerslave』で、プロダクションのクオリティがとても素晴らしかった。実際、4年生のときに英語の授業で、先生に“Rime of the Ancient Mariner”をみんなのために流すことを承諾してもらったほど、メイデンが好きだったんだ。とても長い曲なので最高だった。先生もそれを気に入った。クラスの3分の1はメタルだった.....」