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モーグ・シンセサイザーの共同開発者 ハーブ・ドイチ死去

2022/12/13 10:13掲載
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Herb Deutsch
Herb Deutsch
ロバート・モーグ(ボブ・モーグ/Robert Moog / Bob Moog)と共にモーグ・シンセサイザーを共同開発した作曲家/発明家/教授のハーブ・ドイチ(Herb Deutsch)が死去。Moog Music Inc.のSNSアカウントで発表。90歳でした。

以下、Moog Music Inc.の声明より

「本日、私たちの友人であるハーブ・ドイチ教授の人生を祝福します。

ハーブは同僚として、ボブが工具職人としての情熱を見出す手助けをしました。そして彼らはエンジニアとアーティストが創造的な夢を実現するためのモデルを共に開発しました。楽器のデザイナーは、アーティストの心と創造のニーズを理解しなければならないという信念は、今日に至るまでMoogで行うすべてのことの核心となっています。

ハーブは作曲家として、曲がいかに物語を語る上で最も偉大な言語の一つであるかを世界に示す手助けをしました。彼は音楽の力を信じ、変化のための触媒としての役割を認識していました。

教育者として、ハーブは50年以上にわたって教え、何千もの人々の人生に触れました。彼は、多くの人に音楽と作曲で生涯の関係を築くきっかけを与えました。彼の生徒たちは、音を通じて世界をより素晴らしい場所にするために人生を捧げた人として彼を覚えているでしょう。

友人として、ハーブは私たちに優しい笑顔の贈り物を与え、仲間への優しさの大切さを決して忘れさせませんでした。

ハーブのレガシーと音楽の歴史における地位は決して忘れられることはないでしょう。そしてここMoogでは、彼の笑い声は惜しまれ、大切にされることでしょう。

私たちは、あなたの友情、協力、指導、そして創造的精神に限りなく感謝しています、ハーブ。私たちの愛は、あなたとあなたの家族とともにあります」

ハーブ・ドイチュは1932年、ニューヨーク州ヘンプステッド生まれ。幼少期から音楽を学び、作曲を始めた。マンハッタン音楽院に入学し、学士号と修士号を取得した。

1963年、ニューヨーク州ロチェスターで開催された音楽教育会議でロバート・モーグと出会い、テルミンへの共通の憧れから絆を深め、作曲家を支援するための「小型で手頃な価格のミュージック・シンセサイザー」を目指して、新しい楽器の制作に取り組み始めた。この試作機は、現在ヘンリー・フォード博物館に所蔵されている。

ドイチュは、この楽器のキーボード・インターフェースを開発したことで知られており、モーグ・シンセサイザーのために書かれた最初の作品である「Jazz Images - A Worksong and Blues」を作曲した。

ドイチュは教育者としても知られ、1970年代には、ニューヨーク州ロックビルセンターのセント・アグネス高校で教鞭をとっていた。また、50年以上にわたってホフストラ大学の教授を務め、同大学の音楽科の学科長を2度務めた。また、1972年にロングアイランド作曲家連盟を共同設立した。