『ツイン・ピークス』『ブルー・ベルベット』などデヴィッド・リンチ作品のサウンドトラックでも知られる作曲家、
アンジェロ・バダラメンティ(Angelo Badalamenti)が死去。姪のフランシス・バダラメンティがハリウッド・リポーターに語ったことによると、12月12日にニュージャージー州リンカーンパークの自宅で家族に囲まれながら亡くなったという。同誌は自然死と報じています。85歳でした。
アンジェロ・バダラメンティは1938年、ニューヨーク・ブルックリン生まれ。幼い頃から音楽への愛情を育んできた。クラシック音楽を聴いて育ち、イーストマン音楽学校で学んだのち、1958年にマンハッタン音楽院で学士号を取得し、その1年後に修士号を取得した。
1970年代には、コマーシャルのジングルの作曲や歌手への楽曲提供によって、生計を立てていた。
1973年に映画音楽界へ入り、アクション映画『Gordon's War』で作曲家デビューを果たす。この作品以後も作曲家としてスコアを書くが、なかなかヒット作に恵まれなかった。しかし、1986年に
デヴィッド・リンチ(David Lynch)監督の映画『ブルーベルベット』のサウンドトラックを制作したことで、彼の仕事は広く知られるようになり、リンチとの永続的なパートナーシップの始まりとなった。バダラメンティは当初、主演のイザベラ・ロッセリーニのボイスコーチとして参加したが、最終的には音楽監修の役割を担い、映画のスコアを制作し、映画自体にもジャズ・バーのピアニストとして出演した。
その後、数々の映画の音楽を制作し、1990年にリンチと再会して『ツイン・ピークス』シリーズと1992年の『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』のサウンドトラックを手がけた。『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』では第8回インディペンデント・スピリット賞音楽賞や第19回サターン音楽賞を受賞した。
リンチとは、『ワイルド・アット・ハート』『ロスト・ハイウェイ』『ストレート・ストーリー』『マルホランド・ドライブ』などのスコアを担当した。また、2人はThought Gangというチームを組み、2018年にはセルフタイトルのアルバムをリリースした。
映画やテレビのサウンドトラック、リンチとの仕事以外では、バダラメンティは数十年にわたるキャリアを通じてデヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニー、ペット・ショップ・ボーイズ、ニーナ・シモン、ナンシー・ウィルソン、ロバータ・フラック、マリアン・フェイスフル、シャーリー・バッシ、オービタル、アントラックス、ティム・ブース、LL・クール・Jなど、さまざまなジャンルのアーティストともコラボレーションした。