Black Sabbath with Ian Gillan
ディープ・パープル(Deep Purple)の
イアン・ギラン(Ian Gillan)は
ブラック・サバス(Black Sabbath)在籍時代を振り返る。彼がリードヴォーカルを務めたアルバム『Born Again(邦題:悪魔の落とし子)』について、アルバムが届いた後、本当に破壊したのかと尋ねられたギランは「壊したのではなく、車の窓から投げ捨てたんだ(笑)」とコメントしています。
ギランは1982年、ブラック・サバスに加入。翌83年にギラン在籍時代の唯一のスタジオ・アルバム『Born Again』をリリース。その後、ギランはディープ・パープルの再結成のために脱退しています。
ギランは、デザイナーのスティーヴ・“クラッシャー”・ジョールが、自分の持っていた雑誌『Mind Alive』の表紙に掲載された赤ん坊の写真を加工した『Born Again』のアルバム・ジャケットを嫌っていたことは知られていますが、最近のRock FMのインタビューで彼はアルバムの最終ミックスにも不満を持っていたことを明らかにしています。
アルバムが届いた後、本当に破壊したのかと尋ねられたギランは、次のように答えています。
「壊したのではなく、車の窓から投げ捨てたんだ(笑)。がっかりしたよ。ブラック・サバスのメンバーたちのようなメンタリティは持ち合わせていなかったからね。彼らのことは大好きだし、素晴らしい1年だった。凄かった。でも、ミックスが終えたとき--今でもモニター・ミックスのカセットを持っているけど、素晴らしい音だよ--それがレコーディング・スタジオで聴いた最後の音だった。
アルバムを聴いたとき、“なんだこれ?”と思ったくらい、ベースが鳴りひびいているのがちょっと気になった。『スパイナル・タップ』という有名な映画の中に、ブラック・サバスのことが2つか3つ出てくる有名なセリフがある。それがどこから出てきたのかわからないけど(笑)、その中のひとつが“このアルバムはアメリカのラジオでは流せられない”というものだった。ベースの問題で。その通りだった。プレイ不可。
最終的なプロダクション・ミックスには失望した。スタジオと工場の間で何があったのかわからない。でも、何かが起こったわけで、それが残念だった。とはいえ、収録されている曲のいくつかは大好きで、“Trashed”は俺が最も好きなロックンロール・ソングの一つだよ。完全に実話だからなおさらだ(笑)」
ギランは、ドラマーのビル・ワードの車を勝手に持ち出し、レコーディングスタジオの敷地内を酔っぱらって走り、車を壊してしまった際に「Trashed」の歌詞を書き上げました。