HOME > ニュース >

ザ・ドアーズ最後の未発表スタジオ録音 未発表曲「Paris Blues」のミュージックビデオ公開

2022/11/18 13:43掲載(Last Update:2022/11/19 17:10)
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
The Doors / Paris Blues
The Doors / Paris Blues
ザ・ドアーズ(The Doors)の“最後の未発表スタジオ録音”と言われている未発表曲「Paris Blues」。ミュージックビデオが公開されています。



「Paris Blues」は、1969年の『The Soft Parade』か1971年の『L.A. Woman』のセッションで録音された曲。

ブルースをテーマにした新しいコンピレーション・アルバム『Paris Blues』にも収録されます。このアルバムは、米国のブラック・フライデー(感謝祭の翌日)にあわせて行われる“秋のレコード・ストア・デイ=Record Store Day Black Friday”のアイテムとして11月25日にアナログレコードが限定発売されます。カラーヴァイナル(translucent blue vinyl)で10,000枚限定。LPのカヴァーアートにはメンバのロビー・クリーガー(Robby Krieger)によるオリジナル・ジャケット・ペインティングが施されています。

この長い間失われていた未発表曲「Paris Blues」は、バンドが書いたオリジナルのブルース曲で、1969年の『The Soft Parade』か1971年の『L.A. Woman』のいずれかのレコーディング・セッションで録音されたという(誰も正確には覚えていないようです)。

この曲のマスターテープは紛失し、唯一残っていたテープはバンドのキーボード奏者レイ・マンザレク(Ray Manzarek)が持っていましたが、マンザレクの息子パブロ(当時hは幼児)が誤ってそのテープの一部に上書きで録音してしまったため、部分的に破損してしまいました。

それから数十年を経て、現在、“いくつかのクリエイティブな編集によって、この曲は新しいアルバムのために無名の状態から救出されました”とプレスリリースは伝えています。

クリーガーは2021年の著書『Set the Night on Fire』の中で、この曲は『L.A. Woman』のレコーディング中に生まれたと書いています。彼はこの曲をこう振り返っています。

「アルバムに収録するには不十分だったし、マスターテープと僕の個人的なカセットダビングが失われたので、出すことはなかった。唯一残っていたのはレイのカセットダビングだけど、ある日彼はそれをテープレコーダーの中に入れたままにしていた。当時まだ幼かった息子のパブロがボタンをいじり始め、テープの何箇所かで音楽が突然切れ、パブロがゴソゴソと音を立てているのだけが聞こえるようなってしまった。でも、パブロのリミックスがなくても、これはそれほどいい曲ではない。この曲がアウトテイクとされたのには理由があるし、僕たちがマスターが行方不明になったことをあまり気にしなかったのにも理由がある。パブロはおそらく、僕らみんなに好意を示そうとしたんだ」

一方、マンザレクは、1997年のファンQ&Aでこの曲を『L.A. Woman』の時代のものとし、彼はこの曲を“ファンキーなブルース”で、“それほど特別な曲ではない”と言っています。

今回発売されるブルースをテーマにした新しいコンピレーション・アルバム『Paris Blues』には、タイトル曲のほか、以下の音源も収録されています。

1969年5月31日に行われたノーマン・メーラーの市長選挙のためのベネフィット・イベントで、ジム・モリソン(Jim Morrison)とクリーガーがデュオで演奏した未発表のライヴ音源2曲も収録されています。1曲目はアルバム『Morrison Hotel』のために書かれたものの、最終的には収録されなかったバンド・オリジナル曲「I Will Never Be Untrue」。そして2曲目はロバート・ジョンソンの「Me and the Devil Blues」のカヴァーです。

サイドAにはさらに『Soft Parade』のアウトテイク「(You Need Meat) Don't Go No Further」と「I'm Your Doctor」も収録されています。

サイドBには、2010年にリリースされたライヴ・アルバム『Live in Vancouver 1970』から3曲を収録。1970年6月6日にバンクーバーのパシフィック・コロシアムで行われたライヴからの音源で、パフォーマンスにはアルバート・キング(Albert King)が参加しています。モリソンがキングを紹介するトラックも収録されています。