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10億人以上の10代の若者がヘッドホンの使用や大音量コンサート参加などにより、難聴になる危険性があると研究者が警告

2022/11/16 17:03掲載
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listening to music
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10億人以上の10代の若者が、ヘッドホンやイヤホンの使用、大音量のコンサートへの参加などにより、難聴になる危険性があると研究者が警告しています。

この研究結果は学術誌『BMJ Global Health』に掲載されており、国民の耳の健康を守るために、世界中の政府が「安全な聞き方」政策を推進することが「緊急に必要」であると主張しています。また、テクノロジー、音楽、イベント業界などの関連企業も、若者たちが日常的に危険なレベルの騒音にさらされていることがデータから示唆されているため、リスクを認識させるためにもっと努力する必要があります。

過去の調査によると、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴く場合、人々は105デシベルという高い音量を選ぶことが多く、一方、娯楽施設では平均音圧レベルが104から112になることが分かっています。

これは、大人で80デシベル、子供で75デシベルという、短時間でも危険とされる許容レベルを超えています。

このような騒音レベルにさらされている人がどれくらいいるのかを知るために、12歳から34歳までの約20,000人を対象とした30以上の研究が行われました。その結果、10代の若者の48%が騒音にさらされていることがわかりました。

このデータを、全世界の12歳から34歳の人口(28億人)と比較すると、13.5億人が難聴になる可能性があると研究者らは推定しています。

主執筆者のローレン・ディラード博士はスカイニュースにこう話しています。

「自分の行動が長期的にどのような影響を及ぼすかについて考えるのは難しいことです。難聴は一般的に少しずつ進行していくものです。大音量のコンサートに行って耳鳴りがする人も多いですし、1日か2日はきちんと聞こえないかもしれませんが、それが解消されることもあります。そのような継続的なものが、永久的な損傷を引き起こす可能性があるという認識はあまりありません」

ディラード博士は、世界保健機関(WHO)のコンサルタントで、各国政府や機器メーカーに対し、安全な騒音レベルに関するガイダンスを遵守するよう求めています。

政府への提言として、安全なリスニングのための国民意識向上キャンペーンを実施すること、またメーカーに対しては、高い騒音レベルでの長時間のリスニングに対してユーザーに警告を発することができる製品を製造することが奨励されています。