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人は重低音が流れていると、より踊りたくなる 最新研究結果

2022/11/15 20:07掲載
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Deep Bass - image
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最近の研究によると、人は重低音が流れていると、より踊りたくなるという。カナダのマクマスター大学の研究者たちは、超低周波の重低音のある曲は、ない曲に比べ、平均して11.8%多く人を踊らせるという研究結果を発表しています。生物学の学術誌Current Biologyに掲載されています。

研究チームは、重低音が動きにどのような影響を与えるかを調べるために、McMaster LIVELabでコンサートを開催しました。3Dモーションキャプチャー、さまざまなコンサート環境を再現できるMeyerサウンドシステム、超低周波を発生できる強化スピーカーが設置された会場で、エレクトロニック・デュオのOrphxが45分間のライヴを行いました。

この重低音は人間の耳には感知できないほど低い周波数のものです。

コンサートに参加した参加者は、動きを感知するセンサー付きのヘッドバンドを装着して、研究チームはダンスの動きをモニターしました。また、各参加者はイベントの前後にアンケートに答え、音楽が身体的にどのように感じられたか、重低音によってダンスへの衝動が高まったかどうかなどを調べたりしました。

コンサート中、研究者は超低音再生スピーカーを操作し、2分ごとに音を出したり消したりしました。その結果、スピーカーがオンになっているときの方が11.8パーセントも動きが大きくなっていたことがわかり、重低音が重要であることがわかりました。

低音は、体全体で感じることのできる強い振動です。この振動は、床やスピーカーに触れたり、耳からも感じ取ることができます。この振動と身体との相互作用が、身体の運動系に影響を与え、それがダンスへの衝動につながると研究者は考えています。

マクマスター大学の神経科学者ダニエル・キャメロン博士は「超低周波は前庭感覚にも影響を与え、人の運動感覚をより豊かにする可能性があります。このような脳のメカニズムを解明するには、低周波が前庭、触覚、聴覚の経路に及ぼす影響を調べる必要があります」と述べています。