ウルトラマンにインスパイアされた新作『Ultraman - EP』をリリースする、カナダのメタル・バンド、
ヴォイヴォド(Voivod)。EPでは、初代『ウルトラマン』のオープニング曲「ウルトラマンの歌」や劇中音楽のカヴァーを収録。メンバーが歌う日本語ヴァージョンもあります。EPは海外で11月4日発売。
バンドのヴォーカリストであるスネイクは、なぜ『Ultraman - EP』を制作することになったのかを米サイトMetalSucksのインタビューの中で語っています。
Q:『Ultraman - EP』の背景を教えてください。
「俺たちは子供の頃からずっとウルトラマンの大ファンだった。ヴォイヴォドはこれまでにもバットマンなどをカヴァーしてきた。俺たちはこれらを見て育ったので敬意を表したいと思ったんだよ。
あまり知られていないことだけど、音楽的には想像以上に複雑なんだ。ロックンロールの要素もあるけど、それ以上に、表面だけを聴いていては想像もつかないような複雑さがあるんだよ。実際にやってみると、これを完成させるために必要な音楽性のクオリティは相当なものだということがすぐにわかった。本当に大変だった」
Q:その複雑さについて、もう少し掘り下げて教えてください。
「音楽的には、ウルトラマンの楽曲は一面的ではなく、いろいろなパートがあるので、ある意味、複雑だった。オープニングがあって、バトルパートがあって、ラストがある。複数のパートがあって、それぞれニュアンスが違うんだ。もうひとつは、これは音楽とは関係ないんだけど、同じ作曲家の曲なんだけど、2人のパートナーがそれぞれ別の音楽出版社に所属しているため、音楽出版を解決するのが簡単ではなかった。そのため、少し妥協しなければならなかった。でも、あまり不愉快な話にはしたくない、本当に楽しかったからね。もちろん、いくつかの言語があるよ。フランス語、英語、そして日本語もある」
Q:レコーディングのプロセスを教えてください。
「アルバム『Synchro Anarchy』とほぼ同時期にレコーディングした。全てのプロセスは、“よし、どうしよう?どうすればいいのか、まず何に集中すればいいのか?”という感じだった。複数のパートがあるから、何を先にやるのが理にかなっているを見極めなければならなかったんだ。
レコーディング自体は俺らの他の音楽と同じような感じだったけど、『Ultraman - EP』は俺たちが作曲したわけではなく、言語が追加されただけだったからね。チューウィー(ギター)は日本語が分かるので、その点では大きな役割を果たしたよ。とても楽しくできた」
Q:『Ultraman - EP』を多言語でレコーディングすることにした理由は何ですか?
「ああ、それについては何度も話し合ったよ。どういう経緯で始まったのか正確には思い出せないけど、フランス語ヴァージョンを入れたいとずっと思っていたことは確かだ。少なくとも俺たちは、日本人はフランス語が好きで、エキゾチックか何かだと思っていると聞いていたからね(笑)。だから、フランス語と日本語、そしてもちろん英語でやろうということになったんだと思うよ。子供の頃に番組を見ていた人たちにも、ヴォイヴォドのファンにもわかりやすくテーマを訳したかったので、そこは大変だった。
正直なところ、多言語でやることになった時点で難しくなったので、自分たちが知っているものを使いながら、ヴォイヴォドらしくより現代的に仕上げた。歌は楽しかったけど、日本語が話せないから大変だった。気がつくと我慢している自分がいて、自分に全く自信がなかったのを覚えているよ。でも、チューウィーという良い先生がいたので、とても楽しかったよ」
Q:ヴォイヴォドはウルトラマンの楽曲をセットリストに入れる予定はあるのでしょうか?
「それはよくわからない。正直なところ、ウルトラマンの曲をライヴに入れるかどうかはわからないんだ。次のライヴのいくつかはオーペスと一緒に行うんだけど、オープニングを飾ることになるから、何を演奏するかは厳選しなければならない。ライヴで演奏する曲はすでにたくさんあるから、今のところ予定はないんだ。でも、面白いかもしれないし、自分たちがメインのライヴをやるときには、ウルトラマンの曲も入れられるかもしれないね。でも、今のところ、その予定はない」
Q:SFというジャンルがヴォイヴォドに与えた影響についてお聞かせください。
「子供の頃、ウルトラマンが始まったとき、その音楽にびっくりしてかなり怖かったのを覚えているよ。それがずっと残っていて、ヴォイヴォドに影響を与えたことは確かだと思う。
もちろん、ヴォイヴォドは常にSFに夢中だったし、アンダーグラウンドのスラッシュ・シーンで聴いていたサウンドを混ぜながら、そういったものを自分たちの音楽に取り入れる方法をたくさん見つけてきたと思う。また、俺らはいつもテクノロジーや未来的なビジョンに魅了されていて、何が起こり得るか、世界はどうあるべきかということを、いつもその視点から書いてきた。エイリアンやモンスターがテクノロジーを殺し、互いにどう戦うかというアイデアが大好きで、それが俺らの音楽的な遊び場になっているのは間違いないよ」
■『Ultraman - EP』
●Vinyl Edition:
Side A
1. Ultraman - Opening Theme (Japanese & French [URUTORAMANNO UTA])
2. Ultraman - Victory Theme (URUTORAMAN BGM)
3. Ultraman - Closing Theme (English [URUTORAMANNO UTA])
4. Ultraman - Opening Theme (Japanese [URUTORAMANNO UTA])
5. Ultraman - Victory Theme (URUTORAMAN BGM)
6. Ultraman - Closing Theme (Japanese [URUTORAMANNO UTA])
7. Ultraman - Opening Theme (Instrumental [URUTORAMANNO UTA])
8. Ultraman - Victory Theme (URUTORAMAN BGM)
9. Ultraman - Closing Theme (Instrumental [URUTORAMANNO UTA])
Side B
1. Overreaction (Return To Morgöth - Live 2018)
2. Voïvod (Return To Morgöth - Live 2018)
●Digital Edition:
1. Ultraman - Opening Theme (Japanese & French [URUTORAMANNO UTA])
2. Ultraman - Victory Theme (URUTORAMAN BGM
3. Ultraman - Closing Theme (English [URUTORAMANNO UTA])
4. Overreaction (Return To Morgöth - Live 2018)
5. Voïvod (Return To Morgöth - Live 2018)