メタリカ(Metallica)の『Load』と『Reload』について、この2作を手がけたプロデューサーの
ボブ・ロック(Bob Rock)が英Metal Hammerのインタビューの中で、バンドのクリエイティブな決断を擁護し、「彼らは境界線を広げることができることに気づいたんだ」と話しています。
『Load』と『Reload』は、前作『ブラック・アルバム(Metallica)』の路線を引き継ぎつつも、オルタナティブ・ロック要素を大幅に盛り込み、ブルース的でありカントリー・ミュージック的な方向性も含んだ内容で、リリース当時、賛否両論となりました。
ボブ・ロックは『Load』と『Reload』の時代について、可能な限り自分たちを押し進めることを恐れないバンドの姿を見せることができたと固く信じていると話しています。
「このバンドについて最も賞賛すべきことの一つは、彼らが人々の反応を考えずに行動しているところなんだ。彼らはただ、自分たちが正しいと思うことをやるだけ。人がどう思うかは考慮しない。ある方向に進み、何かをやると決めたら、ただそれを実行する。そして、ためらうことはない」
ロックは、この時点でアメリカ国内だけで1600万枚以上を売り上げた『ブラック・アルバム』の大成功を受けて、メタリカは「一定の広がりを感じていた」と指摘しています。
「彼らは文化が変化していることに気づいただけだと思う。メタルのルールはとても窮屈だ。ドラムの音はある特定の方法でなければならないし、ハーモニーを奏でることはできない。つまり、それは面白くないんだ」
ロックは、バンドが当初、『Load』と『Reload』で行ったほど境界線を広げるつもりはなかったと主張しています。しかし、アルバムのライティング・セッションにおいて、バンドが同じ部屋で一緒に作業したことが、創造的なプロセスに大きな影響を与えたと話しています。
「どこか違うところに行くというコンセプトの決定があったわけではない。(セッション中に同じ部屋で一緒に仕事をすることによって)彼らは自分たちを自分たちたらしめているものに集中することから解放されたんだ。彼らは境界線を広げることができることに気づき、それが『Load』と『Reload』だったんだよ」