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シャワーを浴びているとき、ふとアイデアが思いつくのはなぜなのか? 研究者たちが解明

2022/10/08 20:41掲載
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be in the shower
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シャワーを浴びているとき、ふとアイデアが思いつくのはなぜなのか? 研究者たちは「シャワーを浴びながらひらめきが起きる」現象について解明しています。

バージニア大学の哲学助教授であるザック・アーヴィングらによる研究チームは、こなぜこのような現象が起こるのかを解明することにしました。

これまでの研究では、人は頭がぼんやりしているときに創造性が高まることが示唆されていましたが、新しい研究によると、シャワーを浴びるような無心で行う作業は、実はそれほど無心でないことがわかりました。研究の著者は、、要求の少ない作業を行うと、脳がさまよいがちになり、その結果、創造性が湧き上がることを確認したようです。

アーヴィングは、メディアリリースで次のように述べています。

「問題に行き詰まったとしましょう。あなたは何をしますか? おそらく、絵の具が乾くのを見るような気の遠くなるような退屈なことはしないでしょう。その代わりに、散歩をしたり、ガーデニングをしたり、シャワーを浴びたりと、自分自身を満足させるために何かをするのです。これらの活動はすべて、適度に魅力的です」

研究チームは、10年前の2012年にベンジャミン・ベアードらが発表した『Inspired By Distraction』という先行研究を基にしました。アーヴィングは、この10年前の研究は実際には「心の迷い」を測定するものではなく、「参加者がどれだけ気が散っていたか」の測定であったと説明。アーヴィングらによる研究チームは、自分たちの理論を証明するために、2012年の実験の新ヴァージョンを行いました。新しい実験では、退屈なビデオと興味をそそるビデオを3分間見た後、レンガまたはペーパークリップの別の用途を考えるように参加者に求めました。

1つのグループは、2人の男性が洗濯物をたたむという「退屈」なビデオを見ました。もう一方のグループは「適度に興味をそそる」ビデオとして、1989年の映画『恋人たちの予感』の有名なフェイク・オーガズム・シーンを見ました。

この結果、研究チームは「適度に興味をそそる」ビデオを見ている間、心の迷いの量と創造的なアイデアの生成の間に正の相関関係があることを発見しています。

「人は、シャワーを浴びているときや散歩をしているときなど、適度に興味をそそられる活動をしているときに、しばしば創造的なアイデアを生み出すようです」と著者らは研究論文に記しています。

この研究は、Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts誌に掲載されています。