HOME > ニュース >

アース・ウインド&ファイアーはなぜ、「September」で「9月21日」と歌ったのか? ソングライターの一人が語る

2022/09/22 14:21掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Earth, Wind and Fire
Earth, Wind and Fire
アース・ウインド&ファイアー(Earth, Wind and Fire)の「September」は9月21日に売上とストリーミングが大きく伸びることが毎年の恒例となっています。これは、「September」の冒頭の有名な一節、「Do You Remember, the 21st night of September/Love was changing the minds of pretenders:9月21日の夜のことを覚えてるかい?/あの夜、僕らは本当の愛を知った」という歌詞にちなんだもので、日本では9月21日が<アース・ウインド&ファイアー 「セプテンバーの日」>として、日本記念日協会により正式に認定されています。

でも、そもそも、EW&Fはなぜ「9月21日」と歌ったのでしょうか? この曲の物語をソングライターの一人であるアリー・ウィリス(Allee Willis)が2014年に米ラジオ局NPRで語っています。この曲に同じく登場する「ba-dee-ya」のフレーズについても話しています。

この曲の物語は、1978年に始まります。モーリス・ホワイト(Maurice White)から誘われて、バンドの次のアルバムを共同作曲をするという一世一代のチャンスを得たアリー・ウィリスは翌日にスタジオを訪れます。

ウィリス:
「ドアを開けると、彼らはちょうど“September”のイントロを書いたところだった。私は“神様、この曲が私に書かせたいと思っているものであって!”と思いました。だって、明らかに世界で一番幸せそうな曲だったから」

アル・マッケイ(Al McKay)が作曲した進行を使い、ホワイトとウィリスは1ヶ月かけて、晴れた空と星空の下で踊るイメージを思い浮かべながら曲を書きました。ウィリスは、ストーリーのある曲が好きで、ある時期から「September」の歌詞が単純に聞こえるのではないかと心配になったという。特に、ナンセンスなフレーズが気になったそうです。

ウィリス:
「モーリスはどの曲でも“ba-dee-ya”というフレーズをよく使っていた。だから最初から“'Ba-dee-ya, say, do you remember / Ba-dee-ya, dancing in September”って歌っていたのよ。私は“ba-dee-yaは実際の言葉に変えるんだよね?”と言ったんだけどね」

ウィリスはその後、「このままは間違っている」と思い、最後のヴォーカル・セッションで必死になって、ホワイトにこのパートを書き直してほしいと頼んだという。

ウィリス:
「彼がそれをするつもりがないことが最終的に分かったとき、私はただ“ba-dee-yaってどういう意味なの?”と言った。すると彼は“誰がそんなこと気にするんだ”と言っていたわ。歌詞がグルーヴの邪魔をしてはいけないという、ソングライティングにおける最大の教訓を彼から学びました」

ウィリスは「9月21日」という日付についても話しています。

ウィリス:
「私たちはすべての日付を調べました。“Do you remember the first, the second, the third, the fourth”......と、すべての日付を歌って、一番しっくりきたのがthe 21st(21日)でした」

「いつも私のところに人がやってきては、とても興奮して、その意味を知りたがるんだけど、他のどの日よりも、しっくりきたという以上の意味はないのよ。......ごめんね!」