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ピンク・フロイドのニック・メイスン パンクが『Animals』に与えた影響について語る

2022/09/19 19:23掲載
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Pink Floyd / Animals 2018 Remix
Pink Floyd / Animals 2018 Remix
ピンク・フロイド(Pink Floyd)がアルバム『Animals』を制作したのはパンクが盛り上がっている時期でした。メンバーのニック・メイスン(Nick Mason)は、Ultimate Classic Rockのインタビューの中で、パンクが『Animals』に与えた影響について語っています。

「パンクが『Animals』や当時の音楽にもたらした影響は、はっきりした明白なものというより、むしろサブリミナルなものだったと思う。影響は受けたけど、僕にとっては“これはすごい”と思ったものはあまりなかったと思う。それよりも、ティーンエイジャーが集まってそれをやって、実際に観客がいる、そんなロックンロールに回帰していることが面白いと思った。そういう点では、不思議な感じだった。あまりにも尊大になってしまったプログレに対する反応するという意味ではよかったと思うんだけど、顕著ではなかった。ジョニー・ロッテン(セックス・ピストルズのフロントマン)が“I Hate Pink Floyd”というTシャツを着ていたのは別としてね(笑)。まるで両者が別々の陣営であるかのようで、一方の影響が他方にどのような影響を与えるかを見るのは難しいんだ」

またメイスンは『Animals』と他のアルバムの違いについても話しています。

「『Animals』は面白いと思う。技術的な面では、これまで作ったアルバムの中で一番荒削りだったかもしれない。社会学的に言うと『Animals』はパンクが盛り上がっている時期に作られたんだ。まず第一に、このスタジオが予算内で作られた自分たちのスタジオだったという事実がある。それまでのレコーディングは、アビーロードやAIRスタジオなど、最高水準のスタジオで行われていた。僕たちのスタジオの機材も良かったけど、それほど良いものではなかった」

Q:技術的には、おそらくこれが一番荒削りだったというお話がありましたね。それはアルバム自体にどのように反映されたのでしょうか?

「多分、それが役に立ったのだと思う。今までやってきたこととは全く違うやり方だった。僕たちの誰かがギター・ソロをエンジニアリングすることを止めることは全くなかった。ロジャーと僕がデヴィッドのギターソロを監修して、間違えて消してしまったという思い出もあるよ(笑)。これもアビーロードではありえないことだよね」

Q:『Animals』は、ある人にとってはお気に入りのアルバムでありながら、ある種のカルト的な地位を保っているのが興味深いですね。

「まったく同感だよ。『Animals』は、ほとんどの人にとってNo.1アルバムにはならない傾向がある。多くの人は『The Wall』『Dark Side』『Wish You Were Here』とかを選ぶ。『Animals』はニッチな存在。『The Wall』はそれ以前の作品をすべて消し去ってしまったようなもので、この作品は失われがちになってしまったのだと思う。『Animals』は面白いアルバムで、とてもいいものが入っている。ただ、このアルバムをそのままにするのではなく、実際にリミックスしてよかったと思う。すべてのアルバムの中で、おそらく一番録音が少ないんじゃないかと思うからね。再考に値する作品だ。誰のせいでもない。ただ、アビーロードのフル・ヴァージョンではなく、ホームスタジオ・ヴァージョンのようなものだったんだ」

ニュー・リミックス『Animals 2018 Remix』はYouTubeほかで聴けます。