『The In Crowd』『Sun Goddess(邦題:太陽の女神)』など数多くの大ヒットを世に放ったジャズ・ファンクのゴッドファーザー、
ラムゼイ・ルイス(Ramsey Lewis)が死去。ルイスのFacebookページによると、9月12日の朝、シカゴの自宅で静かに息を引き取りました。87歳でした。
ラムゼイ・ルイスは1935年5月シカゴ生まれ。楽理やピアノをシカゴ音楽カレッジ、デポール大学で学んだ後、ラムゼイ・ルイス・トリオを結成。1956年にデビューアルバムをリリースした。
1965年、ルイスはクロスオーバーの大ヒット曲「The In Crowd」でブレイク。ルイスは全米で最も人気のあるジャズ・ピアニストの一人となり、「Hang On Sloopy」「Wade In The Water」もチャートの上位にランクインした。この3曲のシングルはそれぞれ100万枚以上を売り上げ、ゴールドディスクに輝いた。
1966年にヤング・ホルト・トリオ(後のヤング・ホルト・アンリミッテッド)を結成。後のアース・ウインド&ファイアーのリーダー、モーリス・ホワイトがドラマーとして、クリーヴランド・イートンがベーシストとして起用された。ホワイトは1970年まで在籍。
その後、電子キーボードを使った実験的な演奏を行い、より広がりを見せた。1974年には、ホワイトがプロデュースし、アース・ウインド&ファイアーのメンバーが参加したアルバム『Sun Goddess(邦題:太陽の女神)』を発表。ジャズ・ファンク色の強いこのアルバムはグラミー賞を受賞した。
トリオでの活動と並行し、ソニー・スティット、マックス・ローチらとも共演。そのファンキーなピアノ・スタイルから“ジャズ・ファンクのゴッドファーザー”の異名をとる。
キャリアを通じて、ルイスはグラミー賞を3回受賞し、80枚以上のアルバムをレコーディングした。最後のアルバムは2021年の『Manha de Carnaval』。
2005年には、ラムゼイ・ルイス基金を設立し、危機に瀕した子どもたちと音楽制作を結びつける支援を始める。また、シカゴ・ジャズ・オーケストラの名誉理事も務めた。2008年にはシカゴ・ロヨラ大学から名誉博士号を授与され、学部の卒業式で基調講演を行った。