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アイアン・メイデンのエイドリアン・スミスが選ぶ「俺の物語を語る10曲」

2022/09/06 18:27掲載
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Adrian Smith
Adrian Smith
アイアン・メイデン(Iron Maiden)エイドリアン・スミス(Adrian Smith)は、自分のストーリーを最もよく表している10曲「俺の物語を語る10曲」を選んでいます。英Metal Hammer企画

1. Adrian Smith/Dave Murray - Paper Plane(未発表音源)

「俺が駆け出しの頃、15歳くらいの時にデイヴ・マーレイと一緒にベッドルームでカヴァー曲を演奏していた。俺たちはステイタス・クォーの熱狂的なファンで、初期の頃だったから“Marguerita Time”とかそういうのはなかったんだけどね。彼らにとても影響を受けたので、何か一緒にやろうと決めて、友達を何人か集めてバンドを結成したんだ。数年間、悪がきのバンドでヴォーカルとギターを担当した」

2. Iron Maiden - Twilight Zone (single, 1981)

「アイアン・メイデンに加入した頃だと、『Killers』時代の“Twilight Zone”かな。実はこれ、最初はアルバムの前にリリースしたシングルで、“Wrathchild”と一緒に出していたんだ。マーティン・バーチがスタジオにいなかったので、俺らで制作した。バッキング・トラックを録音したんだけど、あまりに速かったので、ギターをダビングしようとしたら、オリジナルのリフが外れてしまい、代わりにデイヴ・マーレイのリフを中心に書き直さなければならなかったんだ。

この時点では、俺はソングライティングにはあまり関与していなかった。最初のアルバムを録音したときの曲がまだいくつか残っていたからね。当然なんだよ。ファーストアルバムは通常、それに至るまでの何年もの作曲と演奏の集大成だからね」



3. Iron Maiden - Stranger In A Strange Land (Somewhere In Time, 1986)

「『Somewhere In Time』に話が飛ぶよ。次は俺が脱退する前にバンドのために書いた最後の曲のひとつ、“Stranger In A Strange Land”だ。アムステルダムから1時間ほど離れたオランダのWisseloord Studiosでレコーディングした。実はアムステルダムに2ヶ月ほど住んでいたんだ。面白かったよ。 街中にあるわけではなかったけど、楽しかった。あのアルバムは本当に好きで、レコーディングも楽しかった」



4. A.S.a.P. (Adrian Smith And Project) - Fighting Man (single, 1989)

「アルバムに収録されていない“Fighting Man”は、A.S.a.P. - Adrian Smith and Projectとしてリリースした曲で、Bサイド曲だった。この曲はとても気に入っている。

この曲を書いたのは、バッド・カンパニーにいたデイヴ・“バケット”・コルウェルで、俺の古い友人の一人。彼が“Fighting Man”を書き、サリー州でレコーディングした。実はこの曲はサムソンの曲としてスタートしたんだよ。バケットもそのバンドにいたので、この曲をよく演奏していたんだ。

この曲では俺は歌っているんだけど、初期の頃にデイヴ・マーレイと一緒にやっていたようなことに戻れてよかったよ。アルバム全体を歌うのは大変で、スタジオについて今と同じくらい知っていればよかったと思う。でも、それはすべて人生の豊かなタペストリーの一部であり、バケットはいつも僕の声に合わせて素晴らしい曲を書いてくれた。それはおそらく作曲するときに最も重要なことで、もしロバート・プラントのように歌えなければ、彼のパートを書く意味がないからね」



5. Michael Kiske - The Calling (Instant Clarity, 1996)

「メイデンを脱退した後、俺はいくつかのソロ・アルバムと、ハロウィンのマイケル・キスクと仕事をすることになった。彼は素晴らしい人物で、俺と同じようにビッグバンドを辞めてソロ・アルバムをを作ろうとしていた。俺たちはマネジメントが同じで、彼が最初のソロ・アルバムのための曲を探しているから一緒にやろうと言ってきた。俺はハンブルグか、その近くに行って、何度か彼の家に泊まったんだけど、それまで実際に会ったことがなかったから、ただギターを持って玄関先に現れたのが面白かったよ。

俺たちはとても仲が良く、“The Calling”ような素晴らしい曲をいくつか作った。彼はちょっと風変わりで、北ドイツに荒れ果てた家を借りていて、そこにはレコーディング機材は全部あったんだけど、暖房がなかった。とても寒かった。俺が寝泊まりした部屋は、すきま風を防ぐために段ボールで塞いだよ。でも楽しかったし、彼は俺に“2 Minutes To Midnight”や、“The Number Of The Beast”のB面である“Total Eclipse”のような曲を書かせようとしていたよ」



6. Psycho Motel - A Quarter To Heaven (Welcome To The World, 1997)

「サイコ・モーテルには2人のシンガーがいた。1人目はHans-Olav Solliで、ファースト・アルバムで歌っていた。ブルース(ディッキンソン)が脱退した後、メイデンがシンガーを探していたときのオーディション・テープをすべて俺にくれたので、俺は彼を手に入れることができたんだ。彼らはブレイズ(・ベイリー)を選んだんだけど、CDやカセットテープなど、試しに送ってくれた人たちのテープが何箱もあって、俺が新しいバンドのメンバーを探したときに、マネジメントが“どうぞ”と言って全部渡してくれたんだ。

Hans-Olav SolliはSons Of Angelsというバンドのメンバーで、すごくいいなと思った。2人目はアンディ・メイキンで、彼は本当に面白い声をしていると思った。アンディはサイコ・モーテルのセカンド・アルバムを書く手伝いもしてくれて、結局1日1曲くらいのペースで10日間くらいで完成させたんだ。今でも『A Quarter To Heaven』はすごく気に入っているよ」



7. Bruce Dickinson - Man Of Sorrows (Accident Of Birth, 1997)

「サイコ・モーテルのセカンド・アルバムを作った後、俺はツアーを続けるのが難しくなってきた。ある日、ブルース・ディキンソンが電話をかけてきて、何をしているのかと聞いてきた。その時、まだリリースしていないアルバムがあって、どうしたらいいかわからないと言ったんだ。彼は、ロイ・Zと一緒に仕事をしていて、彼は本当にいいギタリストで、いい曲を書くんだ、一緒にやらないか、と言ってきた。『Accident Of Birth』のデモを聴いて、すごくいいと思ったから、参加したんだよ。

バラードの“Man Of Sorrows”が本当に好きだ。ブルースはピアノの前に座っていたけど、彼が弾けるなんて思いもしなかったよ! ギターソロは、俺がやった中でもベストの一つだと思う。面白いことに、この曲のために長い時間をかけて素晴らしいソロを作ったんだけど、それをロイに聴かせたら、“いや、それはあまりにも練りすぎているように聴こえるから、頭の中にある別のものをやってみてよ”と言われたんだ。その時点で一日中そのソロに取り組んでいたのにね! でも、その次のテイクは完璧で、それを使ったんだ。あのソロは今でもとても誇りに思っているよ」



8. Greg Ridley - Live To Learn (Anthology… All I Ever Needed, 2005)

「2000年以降はアイアン・メイデンに戻っていたけど、少し自由な時間があった。昔の仲間のバケットが電話をかけてきて、グレッグ・リドリーと一緒に演奏する気はないか、と言ってきたんだ。グレッグはハンブル・パイのオリジナル・ベーシストで、俺が子供の頃、ステイタス・クォーと同じくらい大きな影響を受けたバンドだった。

残念ながらグレッグは長い間癌と闘っていたんだけど、亡くなる前にバケットと一緒に曲を書いて、彼らが『All I Ever Needed』という遺作作品を出した。彼は俺のヒーローの一人だったので、彼が書いた曲を歌えることは光栄だった。曲は“Live To Learn”で、イズリントンにあるAC/DCのスタジオでレコーディングしたよ」



9. Bucket & Co. - Make Up Your Mind (Guitars, Beers & Tears, 2010)

「バケットの名前はよく出てくるけど、俺たちはかなり一緒に仕事をしているんだ。実は彼はスミス/コッツェンのツアーで、Buckets Rebel Heartとして俺らのオープニングを務めているんだよ。彼はBucket & Co.のファーストアルバムで“Make Up Your Mind”という曲で歌ってくれる人を探していた時に電話してきたんだ。とても楽しかったよ」



10. Smith/Kotzen - Running (Smith/Kotzen, 2021)

「リッチー(コッツェン)と俺が一緒に書いた最初の曲は“Running”だった。俺はロサンゼルスに時々住んでいて、彼もロサンゼルスにいるから、しばらく友達としてジャムっていたんだ。リッチーと一緒に夜遅くまでスティーヴィー・レイ・ヴォーンやハンブル・パイ、フリーなど昔の曲を演奏したこともあったよ。

とても楽しい時を過ごしていたので、妻が“一緒に曲を書いてみたら”と言ったので、その通りにしたんだ。よくあるのは、誰かと会って、ビールを飲みながら、これからやろうとしていることを話すんだけど、実際にはやらないということ。だけど、俺らは実際にアルバムを作ったんだ。スミス/コッツェンにはとても満足しているよ」



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https://www.loudersound.com/features/iron-maidens-adrian-smith-my-life-in-10-songs