Prince and the Revolution / Purple Rain
もし店頭で『Purple Rain』という商品名のエナジードリンクを見かけたら、
プリンス(Prince)が売っていると思うでしょうか? 米国特許商標庁の判断は「おそらくそう思うだろう」でした。同庁は、『Purple Rain』を商標として登録することはできないとの判決を下し、プリンスの相続人たちの主張を支持しました。
米ビルボード誌によると、商標登録しようとしたBang Energy社は、このフレーズを自社のエナジードリンク、栄養補助食品、スポーツ飲料に適用したいと考えていましたが、判決発表の際、裁判官は、このフレーズは「他に存在しない、かつ紛れもなく」プリンスのものであると述べています。
判事の一人は判決の中で「申請者の商標を目にした消費者は、申請者の商品と関連して使用されている場合、“Purple Rain”とプリンスに関連があると推定するだろう」と述べています。その根拠として判決は「“Purple Rain”というフレーズを見たときに何を思い浮かべるか」というアンケート調査を挙げています。結果は、約63%が“プリンス”、彼の同名アルバム、同名曲、1984年のミュージカルを挙げています。
Bang Energyの子会社は、2020年に『Purple Rain』を商標登録申請していました。
最終評決を知ったBang EnergyのCEOジャック・オウックは米ビルボードに対し、自身がプリンスの大ファンであることを明かし、この争いをこれ以上引き延ばすつもりはないと述べています。「我々はプリンスと彼のレガシーを大いに尊敬しており、彼らのパレードに“雨”を降らせるつもりはありません。もしかしたら、将来的に双方にとって有益な取引を交渉できるかもしれません」と述べています。
プリンス・エステートの弁護士は、この商標に反対するための訴訟を起こした際、「『Purple Rain』は英語の単語ではありません。プリンスはこのフレーズを選び、グラミー賞を受賞したアルバム、メジャーな映画、世界中で演奏された曲、そして衣装、映画、ツアーでの彼の象徴的なイメージを通じて有名になりました。大多数の消費者にとって『Purple Rain』という言葉が持つ意味は、プリンスと彼が有名にしたイメージを特定することだけである」と書いていました。