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ジャズ界の巨人クリード・テイラー死去 インパルス!レコード&CTIレコードの創設者 ボサノヴァを世界市場に広める

2022/08/24 12:59掲載
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Creed Taylor - Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images
Creed Taylor - Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images
先見の明のあるジャズ・レコード・プロデューサーであり、インパルス!レコードやCTIレコードの創設者で、ボサノヴァを世界市場に広めたクリード・テイラー(Creed Taylor)が死去。インパルス!レコードが発表。93歳でした。

クリード・テイラーは1929年5月、ヴァージニア州リンチバーグ生まれ。1950年代に米国のインディーズレーベル、ベツレヘムでキャリアをスタートさせたテイラーは、ABC/パラマウント・レコードで頭角を現し、1960年にジャズの象徴的レーベル、インパルス!レコードを設立、その後ヴァーヴ・レコードで指揮を執るようになる。1967年、彼は自分の会社CTIを立ち上げた。50年にわたるキャリアで300枚近いアルバムを世に送り出した。

ジャズの魅力をコアな聴衆の枠を超えて発展させることを望んでいたテイラーは、ジャズの大衆化を図った。非の打ち所のない音質、巧妙なコンセプト、目を引くジャケットによって、ジャズの水準を高めた驚くべきアルバム・カタログを作り上げた。彼はしばしば、ポップスやクラシックの解釈でレパートリーを広げるよう、ジャズミュージシャンを説得することもした。彼は2008年に「ジャズや即興演奏についてそれほど洗練されていない人たちにも、ミュージシャンの演奏を聴いてもらえるようにしたかったんだ」とレコード・コレクターに語っていた。

テイラーはクロスオーバー(フュージョンの前身)のブームを作り、また、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルト等のブラジル・ミュージシャンを起用し、ボサノヴァを世界市場に広めた。