Q:その約1年後、シェリル・リンのために「Got to Be Real」というポップ/R&Bのヒット曲を作曲・プロデュースしましたね。この曲はどのように作られ、シェリルとはどのようにつながったのでしょうか?
「シェリルのことを聴いた(ジャズピアニストの)父が、友人でCBS/ソニー・レコードの社長だったブルース・ランドバルに電話して“彼女と仕事をしたい”と言ったそうです。彼女はプロデューサーを探していました。偶然にも、その頃、僕は台頭してきていたので、ブルースは“君と君の息子でプロデュースしては?”と言いました。その後、シェリルと一緒になり、最初に弾き始めたのが“Got to Be Real”"のリフでした。彼女が歌い始めると、一気に盛り上がり、後にデヴィッド・フォスターを加えて完成。シャンパンを飲みました。その頃は、シェリルのレコードを作りながら、TOTOの最初のレコードも作っていた。多忙な青年だったね」
Q:TOTOの最初のヒット曲「Hold the Line」を書きましたね。この曲はどのようなきっかけで作られたのですか?
その頃、TOTOは集まってリハーサルを行い、新しい曲を聴いて、実際にバンドとしてやっていけるかどうか確認していた。僕はこの曲を持ち込んで、(ボビー)キンボールに教えた。スティーヴ・ルカサーとデヴィッド・ハンゲイトもそこにいた。“Hold the Line”は、初めて演奏したときにレコードと同じような音がしたんだ。いいものができたと思ったし、結局トップ5になった」
僕はヤマハのCS-80という新しい楽器を手に入れていた。それはまるでスティーヴィー・ワンダーの夢のマシンのようで、素晴らしいサウンドを奏でることができた。キーボードのスイッチを入れて最初に弾いたリフが“Africa”のイントロだった。それはまさに魔法のようだった。(レコードで聴くことができる)音はあったし、音に触発されて一部パートの音楽を書いたこともある。それで、そのパートができて、次に歌詞のメロディーを書き、そしてコーラスになった。コーラスの歌詞を歌い始めたら、“Bless the rains down in Africa”と呟いた。それで、曲のタイトルが決まった。自分の性格のさまざまな側面を包含した曲にしたいと思ったんだ。自分探しの歌のようなものだね」
Q:ジョージ・ベンソンに書いた「Lady Love Me」というヒット曲も好きです。この曲の作曲について教えてください。
「“Lady Love Me”はね、(ヒット曲の作詞・作曲者である)ジェームズ・ニュートン・ハワードが一緒にR&Bの曲を書きたいと言ってきたんだ。一緒に曲を書いたのはそれが初めてだったけど...彼は僕の親友のひとりなんだ。“Lady Love Me”を書いたとき、ジョージ・ベンソンが曲を探していたので、それを送ったら、結局彼がレコーディングすることになったんだ。どの手段とかは関係なく、このようなことが起こるのは、とても満足のいくことなんだよ。僕の場合はTOTOがメインだったけど、シェリル・リンやボズ・スキャッグス、ジョージ・ベンソンと一緒に曲を作ることができたのは素晴らしいことだった」