2016年の
ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)のリユニオン直後、
アクセル・ローズ(Axl Rose)はブライアン・ジョンソンの代役シンガーとして
AC/DCのツアーに参加しました。当時のAC/DCのドラマー、
クリス・スレイド(Chris Slade)は、この当時のことをultimate-guitar.comのインタビューの中で振り返っています。またスレイドはAC/DCのオーディションを最初に受けた時、大物ドラマーがバンドに内緒でAC/DCのオーディションを受けていたことも振り返っています。
Q:このツアーで最も賛否両論だったのは、ブライアン(ジョンソン)が聴力障害で離脱し、その代役としてアクセル・ローズを起用したことでした。バンドはどのようにしてその決定に至ったのでしょうか?他にオーディションを受けた人はいましたか?
「他に4人のシンガーがオーディションを受けたよ。知られている人もいれば、知られていない人もいる。1989年に受けたバンドの最初のオーディションと同じように、そのシンガーたちが誰であるかは秘密にしておくよ。
それが終わったとき、急に予定外の休みを取ると言われたんで、“なんで明日が休みなんだ?どうなっているんだ?”と言ったら、“ブライアンは出演できない。明日はアクセル・ローズだ。今日中に準備をしなければならないんだ”って言われた。......“え?アクセル・ローズ?ガンズ・アンド・ローゼズの?”・・・“そう、あのアクセル・ローズだ”。そんな感じで、あっという間だったね。その日にそう言われて、次の日にアクセルが現れた。彼が来て、握手をして、ジョークを言ってから、俺は“こいつは大丈夫だ”と思ったよ(笑)。彼が歌い始めたとき、信じられなかった。信じられなかったよ。彼は心をこめて歌っていて、素晴らしかったんだ」
Q:賛否両論ありましたが、最終的に彼はバンドにうまく噛み合ったようですね。
「ええ、俺はガンズ・アンド・ローゼズの声しか聴いたことがなかったからね。彼があんなに歌えるとは思わなかった。誰が何と言おうと、アクセル・ローズはハードワーカーだ。彼は毎日、ライヴの前に2時間ウォーミングアップし、ライヴが終わると2時間ウォーミングダウンしていた。俺は彼の隣にいたから、それは事実だ。毎晩、聴いていた。耳ではなく目で聴くと、そこに問題が出てくる。ネット上の荒らしがそうだ。ブライアン・ジョンソンじゃないけれど、バンドとしてはやらなければならなかったわけで、それは信じられないようなサウンドだった。アクセルが入ったとき、みんなからは“なんでわざわざ?なぜまだ続けるんだ”と言われた。俺たちはやりたかったからやったんだ。ライヴをやりたかったし、ツアーをやり遂げたかったんだ」
また同じインタビューの中で、最初にAC/DCのオーディションを受けた時のことも振り返っています。
Q:あなたが最初にAC/DCのオーディションを受けたのは89年でしたね? 83年にフィル・ラッドが脱退したとき、サイモン・ライトに選ばれたオーディションに、あなたは参加したのでしょうか?
「当時オーディションのことを知っていればよかったんだけど、その時はデイヴ・ギルモアと一緒にツアーに出ていたから、オーディションには参加しなかったんだ。
忘れもしないよ。バスに乗っていて、ちょうど目が覚めたとき、バスの先頭でアルバムが流れていたんだ。なんとなく気に入って“これ誰?”と聞いたんだ。いい曲だと思ったんだけど、それが誰なのかわからなくてね。“まだ聞いてないのか?AC/DCだ”と、ミック・ラルフスは俺を見て言った。忘れもしない。彼を俺を見て、“スレイド、お前のためのライヴだ”と言った。俺が最終的にAC/DCに加入する何年も前のことだよ。神に誓って、これは本当の話なんだ」
Q:89年に話を移しますが、どのようにしてオーディションを受けることになったのですか?
「その年はゲイリー・ムーアと一緒に仕事をしていた。その頃、ゲイリーはスチュワート・ヤングという新しいマネージャーがいた。彼はAC/DCのマネージャーでもあったんだ。
オーディションのことを聞いて、同じマネージャーがいて、俺はゲイリーと一緒に演奏していたから、彼を通してチャンスをもらったんだ。スチュワート・ヤングに頼んで、オーディションを受ける機会を得たんだよ。当時AC/DCのオーディションを受けた100人目のドラマーになったんだ。当時は知らなかったんだけど、俺より前に99人のドラマーがトライしていたんだ。
他の人が誰だったかは言わないけど、そのうちの何人かは大物バンドに所属していたし、今でもそのバンドは自分のドラマーがAC/DCのオーディションを受けていたなんて知らない。だから、誰とは言わないけど大変なことだったんだ。
他のドラマーから電話がかかってきて、“クリス、聞いてくれ、僕がトライしたことはバンドの他のメンバーには内緒にしておいてくれ。もしバレたら、追い出されちゃうから”と言っていた。どちらの立場もわかる。バンドが怒らないわけがない。でも、もしドラマーとしてその場にいて、AC/DCから声がかかったら、それに応じないわけにはいかないよね? これだけは言っておくけど、このリストには信じられないような名前がたくさんあった。信じられないような名前ばかりだったんだ。どのバンドに所属しているかは関係なく、みんなAC/DCでプレイしたいと思っていた。たとえ報酬が下がっても、それは一流の仕事だった。そういう意味でも、彼らが俺を選んでくれたこと、そして仕事が決まったことは、とても嬉しかったよ」