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オジー・オズボーンのプロデューサー マックス・ノーマン、ランディ・ローズの「魔法」のようなギターソロをどうやって録音したか語る

2022/08/03 18:32掲載
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Ozzy Osbourne and Randy Rhoads - Photo by Getty Images
Ozzy Osbourne and Randy Rhoads - Photo by Getty Images
オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)の『Blizzard of Ozz』と『Diary of a Madman』を手がけたプロデューサー/エンジニアのマックス・ノーマンは、Guitar World誌のインタビューの中で、ランディ・ローズ(Randy Rhoads)の「魔法」のようなギターソロは、どのようにして録音することができたかを語っています。

「ランディが曲の真ん中にあるメインのソロを録音する時は、明らかに特別な感覚があった。そのやり方はこうだったんだ。

ランディがソロを録音するためにリハーサルをしている間、僕たちは座って彼の演奏を聴くのではなく、地元のパブに行ってビールを飲んだりしていたんだ。

そのあと、僕が戻ると、彼は“OK、準備はできたよ!”と言うんだ。スタジオのフロアにいる彼の顔を見ればわかるよ、彼は自分を奮い立たせていたんだ。飛びかかる準備をしていたんだよ。“今、レコーディングしているんだ”という興奮と勢いが伝わってきた。

ランディは、パフォーマンスを捉えるために、最初の2、3テイクでソロを完全に録音しようとするんだ。そうしないと、彼は“もう1時間行って、また戻ってきてよ、今ひとつピンとこないんだ”って言うだろうね。

でも、たいていの場合、彼はその最初の2、3テイクで、自分の好みのソロを全部うまく録音してしまうんだよ。ランディは準備万端で律儀な男だったで、本当に準備ができたと思うまで、準備ができたとは言わなかった。その結果、それぞれのソロを非常に素早く掴むことができ、とても新鮮な全テイクにすることができたんだよ。

ランディは、自分が何を達成したいのか、とても明確なビジョンを持っていた。そのため、多くの人が完璧だと思うようなテイクを弾いても、“いや、これはちょっとしっくりこないな、やり直そう”と言うことがよくあった。

他にも、こんなことも言っていた。“ちくしょう、すごくいい感じなんだけど、ある音で欲しかったハーモニーをキャッチできなかった。そこにあるはずなのに”。

僕は“この素晴らしいテイクを吹っ飛ばして、その上でまたレコーディングするの?”と驚いて彼を見ていた。そして案の定、彼はもう一度演奏して、その欠けていたハーモニーを完璧に再現したんだよ!

ランディの驚くべき細部へのこだわりと、テクニック、フィーリング、情熱、音楽性の見事なコンビネーションは、40年以上経った今でも人々の心を捉えて離さない。それこそが、ランディの唯一無二なところなんだ。あのアルバムを作ってから41年以上経っていることに驚かされるよ」