Derek Trucks, David Gilmour
オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band) や
テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band) などで知られる、スライドギターの名手
デレク・トラックス(Derek Trucks) 。Total Guitarのインタビューの中で、
ピンク・フロイド(Pink Floyd) の
デヴィッド・ギルモア(David Gilmour) への憧れや、「あの演奏は真似できない!」と語るギルモアの唯一無二のプレイスタイルについて語っています。
「デヴィッド・ギルモアのような才能のあるプレイヤーに、キーポイントとなる特定の1曲を挙げるのは難しいんだ。今、初期のピンク・フロイドを聴くと、明らかに進化があったことがわかる。でも、ピンク・フロイドの他の部分は全く変わっていない。それが自分自身であるならば、逃げられないものがあるんだよ。
自分自身の音楽的アイデンティティを持つという考え方は、とても美しいもの。だからこそ、自分らしさを表現するために音楽をやっているんだ。デヴィッド・ギルモアは、このような全体像を持っている人物のひとり。彼のトーンやアプローチを通して、ギターで自分の宇宙を作り上げているように感じる。フロイドの初期のレコーディング、“The Nile Song”などでも、それを聴くことができるんだ。
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彼の演奏を聴くと、その場にいるような感覚になる。彼の演奏を聴くたびに、子供の頃に叔父と過ごした時間を思い出すんだ。彼はピンク・フロイドの大ファンで、特にデヴィッド・ギルモアのギタープレイが好きだった。あの音色を聴くと、いつもそんなことを感じたり、考えてしまうんだよ。あの音は、いつも僕の中にあって、とても不思議な感覚を与えてくれるんだ。
彼の演奏を見たり聴いたりしたとき、楽しめなかったことは一度もない。彼がやっていることには、いつも興味をそそられるんだ。彼の音は独特で、演奏しているのを聴くとすぐに彼だとわかるんだ。多くの人が彼に影響を受けているにもかかわらず、彼と間違うような人は他にいないよ。
ピンク・フロイドの影響でサウンドスケープ的なものにのめり込んだプレイヤーはたくさんいるけれど、あんなの真似できないよ! 彼の手なのか、彼の聴き方なのか、彼の楽器へのアタックの仕方なのか、機材のダイヤルの回し方なの、僕にはわからない・・・それが何であれ、なぜか一部の人がそれを持ち、他のほとんどの人は持っていないんだよ!
でも、そのサウンドの大部分は、彼のベンディング(チョーキング)からきているんだと思う。 その音にどう入り込むかなんだけど、音を出す前にすでに半分くらい曲がっていたりするんだけど、いつも完璧にコントロールされているんだ。ギターをあんなに弾きこなせる人は、なかなかいない。あんなに上手に弾ける人はそうそういないよ」