ブラインド・ガーディアン　新曲「Violent Shadows」のミュージックビデオ公開

ここ数作はオーケストレーションを多用した大作志向にあった彼らだが、同じくドイツ出身のハロウィンの作品も手掛けるプロデューサーのチャーリー・バウアファイントとともに、今作ではあえてブラインド・ガーディアンの本質を強調するファストかつアグレッシブでコンパクトなアルバム作りを行なった。だが、近年の作品を無視することもなく、むしろ複雑さとインパクトのバランスを意識的に近年の作風にやや傾けることで、過去と現在の間を縮めた。これは1995年発表の傑作『イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド』の2022年版とも喩えることのできる、27年の歳月を経て完成したスタイルである。

リーダーのハンズィ・キアシュ（ヴォーカル）はこう語る。
「『ビヨンド・ザ・レッド・ミラー』（2015年作品）と、ブラインド・ガーディアン・トワイライト・オーケストラ名義での『レガシー・オブ・ザ・ダーク・ランズ』（2019年作品）を発表して、オーケストラ的な側面をこれ以上押し出すことはできないとわかっていたんだ。1995年からの僕らの特性を焼き直すようなことはなかったけれど、複雑な道をずっと歩み続けることもしたくなかった。『ザ・ゴッド・マシーン』は僕らの新たな始まりなんだ。新しい道を設定し、ここ数作のアルバムで少々おろそかにしていた確かなものを取り戻したんだよ」

『ザ・ゴッド・マシーン』収録曲の歌詞は、現代の魔女狩り、被害妄想、戦争、そしてハンズィの母親の死などを扱っており、これらの重いテーマをここ数年のブラインド・ガーディアンの曲の中で最もファストかつ最もヘヴィな曲としてまとめた。歌詞について、ハンズィは以下のように述べている。
「このアルバムに希望を見出すには、虫眼鏡でじっくり見なければならないよ。でも、確かにそこに希望はあるんだ。僕が書く歌詞にはいくつかの層があってね。そのうちの何層かは、ずっと後になってからしか探求できないものなんだ」

アルバムのアートワークに登場するのは、世界中に熱狂的なファンのいる戦略トレーディングカードゲーム「マジック：ザ・ギャザリング」のイラストも手掛けてきたアメリカ人イラストレーターのピーター・モーアバッカーが描く堕天使ガドリエル。かつて『テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド』（1990年作品）、『サムホェア・ファー・ビヨンド』（1992年作品）、『イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド』（1995年作品）、『ナイトフォール・イン・ミドル・アース』（1998年作品）でメタルとファンタジー文献を融合した名盤が発表されてきたが、その融合はこのアートにも表れている。