Pink Floyd / Dark Side Of The Moon
プロデューサーの
ジョン・レッキー(John Leckie)はかつて、
ミューズ(Muse)のメンバーがロックや音楽全般の歴史についての知識が欠けていることに驚き、知識を広げるために彼らに
ピンク・フロイド(Pink Floyd)の『The Dark Side Of Th Moon(邦題:狂気)』を聴かせました。ミューズの
マシュー・ベラミー(Matthew Bellamy / Matt Bellamy)は、同作を初めて聴いた時のこと、そして
デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が比類なきプレイヤーである理由をTotal Guitarのインタビューの中で語っています。
ミューズは2001年のアルバム『Origin Of Symmetry』でジョン・レッキーと仕事をしました。
「彼は、僕らがロックや音楽全般の歴史についての知識が欠けていることに驚いていて、彼は、キャプテン・ビーフハートのようなアーティストを紹介して、それがどのようにトム・ウェイツに変化していったかを説明してくれたんだ。
ミューズの3人にとって『The Dark Side Of Th Moon』を初めて聴いたことは、とても大きな出来事だったんだ。ピンク・フロイドのことはもちろん知っていたけど、ちゃんと聴いたことはなかったし、少なくともジョンが望むような聴き方をしたことはなかった。2001年に、彼は僕らにコントロールルームの電気を消して、『The Dark Side Of Th Moon』を何回か聴かせたんだ。僕らは“うわー、この音楽は何だ、信じられない!”と思ったよ。
心が揺さぶられるような体験だった。本当に衝撃を受けたのは、この作品が最初だったんだ。4枚目のアルバム『Black Holes And Revelations』は南フランスのミラヴァルという場所で作ることになったんだけど、そこは古いブドウ園で、(ピンク・フロイドが)『The Wall』 の一部を作っていたんだ。それがこの場所でのレコーディングを決めた主な理由なんだ。
『The Dark Side Of Th Moon』の中で最高のギターの瞬間を選ぶのは難しいけど、“Money”は際立っていると言わざるを得ない。あのリフは超クールだし、反企業、反戦というメッセージも込められている。音楽が何を主張するかという点で、とても影響力があった。
デヴィッド・ギルモアは驚くほど表現力が豊かで、感情的なプレイヤーだね。彼は、時に人間が歌っているのを聞いているような気分にさせてくれるんだ。彼の演奏は、非常に稀な表現力を持っている。彼の演奏には、感情的な理由がない限り、技術的なトリックや見せびらかしがないんだ。
デヴィッド・ギルモアの演奏を聴いていると、無限に浮遊しているような感覚になるんだ。僕にとっては、少なくともあそこまでやってくれる人は他にいないと思う。あのバンドと彼のリードを聴いていると、日常生活から抜け出したような高揚感を味わえる。信じられないくらいにね」