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ボブ・ディラン「風に吹かれて」の新録版 唯一のディスクが約2億4千万円で落札

2022/07/08 09:56掲載
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Ionic Original - T-Bone BurnettNew Bob Dylan Recording of ‘Blowin’ in the Wind’ on Ionic Original - Joshua White/JWPicture
ボブ・ディラン(Bob Dylan)は2021年、1962年の代表曲「Blowin’ in the Wind(邦題:風に吹かれて)」の新ヴァージョンを、長年のコラボレーターであるプロデューサーのTボーン・バーネット(T-Bone Burnett)が開発した新しいアナログ・オーディオ・フォーマット「アイオニック・オリジナル(Ionic Original)」のためにレコーディングしました。1枚のみ作られた唯一のディスクが英ロンドンのクリスティーズでオークションにかけられ、1,769,508ドル(約2億4千万円)で落札されています。落札予想価格は60万ポンドから100万ポンド(約9620万円〜約1億6千万円)でした。

この曲の新しいヴァージョンは、60年前にオリジナルを録音して以来、初のスタジオ録音です。この新ヴァージョンは「アイオニック・オリジナル」としてリリースされる最初の録音でもあります。

「アイオニック・オリジナル」は、バーネットが開発した高音質技術です。アナログレコードのように見えますが、異なる新しいディスク・フォーマットで、世界にひとつしかないアルミニウムのディスクです。それぞれのディスクは“音楽によって刻まれた螺旋”をモチーフにしたラッカー塗装が施されています。

バーネットによると、「アイオニック・オリジナル」は大量生産ができないため、一回限りの録音は、少なくとも当面はコレクターズアイテムや希少な投資として機能する可能性が高いとのこと。バーネットはまた、ディランが新しい技術のためにいくつかの曲を録音し、さらに他のアーティストが同じことをする予定であるとも述べています。

バーネットは以前に声明の中で、アイオニック・オリジナルを次のように説明しています。

「アイオニック・オリジナルは、レコーディング・サウンドの最高峰です。アーカイバル(記録として保管できる)クオリティで、未来を約束する、唯一無二の存在です。アイオニック・オリジナルは絵画に匹敵するだけでなく、絵画なのです。アルミニウムのディスクにラッカーが塗られ、音楽によって螺旋が刻まれています。この絵画には、その音楽が含まれており、螺旋にスタイラスを入れて回転させると、その音楽を聴くことができるのです。

レコーディング音楽のサウンドの歴史を踏まえ、バーネットはレコード、CD、ストリーミングなど、あらゆるレコーディング音楽を体験する手段を超える深み、響き、音の忠実性を持つアナログ・ディスクを開発しました。新会社NeoFidelity, Inc.を設立し、幅広い音楽ジャンルのアーティストをレコーディングし、アイオニック・オリジナルの配信プラットフォームを提供することで、バーネットはレコーディング音楽の評価をリセットすることを決意しています。

アナログの音がデジタルの音より優れていることを表現するとき、よく“温かみ”という言葉が使われます。アナログの音は、より深みがあり、より複雑なハーモニーを持ち、より共鳴し、より良いイメージングを持っています。アナログの音はより多くの感触、より多くの特徴、より多くの感触を持っています。デジタルの音は凍っています。アナログの音は生きているのです」