プリンス(Prince)の長らくお蔵入りになっていた1986年の未発表アルバム『Camille』。今年3月に
ジャック・ホワイト(Jack White)のThird Man Recordsが同作をリリースする権利を手に入れたと報じられましたが、ホワイトは最近、自身のSNSでリリースの計画があることを認め、また一部メディアが「リエディット(再編集)」してリリースすると報じていることについても言及しています。
『Camille』はプリンスが1986年に録音した未発表アルバムで、ピッチアップされた加工ヴォイスによってその正体を隠して、“Camille(カミーユ)”という名義でリリースする予定でした。このプロジェクトは最終的にリリース予定の数週間前に破棄され、生き残った希少なアナログレコード(25枚と言われている)の1枚は2016年にオークションに出品され、49,375ドルで落札されています。またクエストラヴは2017年に別の1枚を競り落としたとも伝えられています。
『Camille』の8曲はすべて、何らかの形で過去に公式にリリースされています。
「Housequake」「Strange Relationship」「If I Was Your Girlfriend」はプリンスの次のアルバム『Sign O' the Times』に収録。「Feel U Up」「Shockadelica」は、それぞれアルバム『Batman』の 「Partyman」と「If I Was Your Girlfriend」のBサイドとして発表。「Good Love」はマイケル・J・フォックス主演の映画『再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ』サウンドトラックに収録。「Rockhard in a Funky Place」は1994年に限定発売された『The Black Album』に収録。「Rebirth of the Flesh」は2020年に『Sign O' the Times』のリイシューの一部としてリリースされています。
最近、デイリー・スター紙のワイアード・コラムはホワイトのコメントを掲載しています。
「当初の予定通りにリエディット(再編集)できるようになったんだ。素晴らしいニュースだよ。『Camille』をリリースしようとしたときにプリンス自身が考えを変えたのだから、確認するのはとても難しいんだ。彼は結局、何年にもわたって多くの曲を別の録音で発表したわけだから、(リリースが)彼の意志に反するとは思わないよ。彼が日の目を見ることを望まなかったというわけではないんだ」
Bang Showbizは、このデイリー・スター紙のコメントを引用して「ジャック・ホワイト、プリンスの失われたアルバム『Camille』を“再編集”してリリースする計画を明らかにした」というタイトルで報じました。
ホワイトは自身のInstagramアカウントでこの記事について言及しています。ホワイトによると、「リエディット(再編集)」は、楽曲そのものを再編集するのではなく、プリンスが当初予定していた通りに曲順を並べ直すことを指しており、記事のタイトルは誤解を招くものであると指摘しています。
「この見出しは誤解を招くもので、メッセージを明確にしておきたい。僕もThird Man Recordsもプリンスの音楽を“編集”したり“リミックス”したりするつもりはない。『Camille』が最初にプレスから外されて以来、これらの曲は何度もリリースされているので、僕は単に『Camille』のオリジナルの曲順で曲を並べることを指していたのです。僕はプリンスの音楽には決して手を出しません。これで誤解が解けて、このアルバムがオリジナルの形で日の目を見ることができることを願っています。ありがとう」
Third Man Recordsが同作をリリースする権利を手に入れたことは、同レーベルの共同設立者であるベン・ブラックウェルが英Mojo誌のインタビューの中で語っていました。「ついに出すことになったんだ。プリンスの関係者も賛成してくれたよ。簡単すぎるくらいにね」。リリース日はまだ発表されていません。