Scott Ian and Cliff Burton
アンスラックス(Anthrax)の
スコット・イアン(Scott Ian)はかつて
メタリカ(Metallica)の
クリフ・バートン(Cliff Burton)とウォークマンを買いに行ったら麻薬の売人と勘違いされて逮捕されたことがありました。英Metal Hammerの企画で、メタリカとの友情を語るなかで、当時のことを振り返っています。
「クリフと俺は、ロンドンで一緒に逮捕されたんだ。84年の春に『Fistful Of Metal』のプレスのためにロンドンに行ったんだけど、メタリカもそこにいたから、ロンドンで3週間、彼らと一緒にアパートで暮らしたんだ。
ある日、クリフが新しいウォークマンが欲しいということで、トッテナム・コート・ロードに行ったんだ。二人の警察が近づいてきて、俺たちが麻薬の売人かと聞いてきたんだ。俺らが“違う”と答えると、“じゃあ、今すぐ認めたほうがいい。そうすれば物事が簡単に進むぞ”と言われたんだ。
警察署に連れて行かれて逮捕されたんだけど、クリフのコートの中に風邪薬があったんだ。彼らは“鑑識に送る必要がある”と言ったので、俺は“スーダフェド(※風邪などで鼻が詰まった時の薬)だよ、この野郎!”って言ったんだ。俺たちは彼らにアパートの住所を教えなければならなかったんだけど、クリフがアパートにマリファナを大量に隠し持っていることを知っていたから、俺はすごく不安になったんだ。
俺たち2人は別々にされ、下着だけにされた。俺はドアだけで、窓もないコンクリートの独房に座って、映画『ミッドナイト・エクスプレス』のことを考えていた。それが俺の頭の中を駆け巡っていたんだ。
3時間後、彼らはドアを開けて、“よし、一緒に来い、 警部の部屋に連れて行く”と言った。それで俺は“どうしたんだ?”と言うと、彼は“警部が説明する、これが君の服だ、服を着ろ”と言った。そのあと、再びクリフに会ったけど、彼も何が起こっているのかわからないと言っていた。彼らはアパートへ行き、マリファナを探した...しかしマットレスの下は見なかった! 俺たちは自由になった。そのとき俺は“あそこにいる誰かが本当にメタリカが好きなんだな”と思ったよ。クリフはウォークマンを手に入れられなかったけどね!」
またデイヴ・ムステインがメタリカから解雇されたときのことも話しています。
「彼がクビになったときのことを実は覚えているんだ。彼らはまだあの音楽ビルに住んでいた。ある日、俺が顔を出したら、クリフが外でタバコを吸っていたんだ。彼は“ああ、ムステインをクビにしたんだ”と言っていた。信じられなかったよ。その週末にはギグがあって、数週間後にはアルバム制作のために出発するところだった。
当時、ムステインは基本的にフロントマンだった。ジェイムズはまだジェイムズになっていなかったから、彼が中心的存在だった。だから、リード・ギタリストとソングライターをクビにするなんて、考えられないことだったんだ。でも彼らは“ああ、彼は今サンフランシコ行きのバスに乗っている。エクソダスというバンドにいる男が明日飛行機で来る予定だから、空港から彼を乗せてもらえるかい?”と言っていたんだよ」
スコットはまた、「誰もメタリカがアイアン・メイデンよりビッグになるとは思わなかった」とも振り返っています。
「(メタリカが)“いつか世界で一番ビッグなバンドになると思っていた”と言ったら嘘になるね。誰もそんなこと言ってない。誰も“いつかメタリカがアイアン・メイデンよりビッグになる”なんて言っていなかった。そういうことは、誰も言っていなかったんだ。でも、彼らが先を行っていることは誰もが知っていた。
エクソダスやスレイヤーと友達になった時でさえもね。デイヴ・ムステインがメガデスに移ったときも、彼らが他のバンドより抜きん出ていると考えていた。でも、それ以上に、ジェイムズの手と頭脳が関係していると思っているよ」