ブラック・サバス(Black Sabbath)は1980年、ツアー中に突然辞めたオリジナル・ドラマーのビル・ワードに代わって
ヴィニー・アピス(Vinny Appice)を迎えました。アピスは加入した際、4日間でサバスの楽曲15曲を覚えなければならず、しかも、バンドメンバーの中には、あまり協力的でない人もいました。その困難な瞬間をVinyl Writer Musicのインタビューの中で振り返っています。
「ビルはとてもユニークなスタイルと曲へのアプローチを持っているんだ。幸いなことに、彼は僕のヒーローの一人だったので、若い頃に聴いていた。でも、大変だったし、すべての曲のパートを正確に覚えようとする時間はあまりなかったんだ。
4日間で15曲も覚えなければならないなんて無理な話だよ。それにリハーサルの初日は、ドラマーが見つかったことを喜んで、みんなパブに飲みに行ってしまったから、とても短かったんだ!」
キーボーディストのジェフ・ニコルズの指導の下、スタジオに残された彼は、最終的には、曲の最もよく知られた部分ではビル・ワードのパートを真似し、それ以外の部分は自分の演奏をすることにしました。
「チート・シート(カンニングペーパー)も持っていたよ。曲ごとにチート・シートを書いて、それを全部まとめた本を持っていたので、何とかやり遂げることができたんだ」
アピスはまた、新しいバンドやミュージシャンと一緒に演奏するときに心がけるべきことをアドバイスしています。
「常に意識して耳を澄ませることで磨きをかけてきた。常に耳を澄ませておくというのは、僕ができる素晴らしいアドバイスのひとつだよ。新しいバンドやミュージシャンと一緒に演奏するときは、彼らが何をしているのか、どうすれば自分がその中に溶け込めるのかをチェックするべきなんだ。僕はそうしてきた。そうして一緒にツアーに出ることで、本当のバンドになるんだ」