ジュリー・クルーズは1956年米アイオワ州生まれ。大学時代にフレンチ・ホルンを学び、ミネアポリス州の児童劇団で女優・歌手として活動した。その後ニューヨークへ拠点を移し、女優としてジャニス・ジョップリン役を演じるなど演劇の仕事をしていた。やがて作曲家のアンジェロ・バダラメンティと出会い、1985年にバダラメンティが音楽を担当したデヴィッド・リンチ監督映画『ブルー・ヴェルヴェット』に出演したイザベラ・ロッセリーニのヴォイス・トレーナーとして起用され、また映画で使用されるデヴィッド・リンチ作詞による「Mysteries of Love(愛のミステリー)」を歌唱した。これが長い創作協力の始まりとなった。
その後もクルーズ、バダラメンティ、リンチの関係は続き、1989年には全曲アンジェロ・バダラメンティ作曲、デヴィッド・リンチ作詞による1stアルバム『Floating into the Night 』をリリース。これには、1990年に全米でTV放送が始まったドラマ『ツイン・ピークス』のテーマ曲として使われることになった「Falling」が収録されている。『ツイン・ピークス』で使用されたことで大きな話題となった。
1993年にはジュリーが作詞・作曲に関わった1曲をのぞいた全曲をバダラメンティ作曲、リンチ作詞を手掛けた2ndアルバム『The Voice of Love』をリリース。