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アンディ・サマーズが語る「ポリスのキャリアを象徴する5曲」 本物のギタリストでなければ上手く弾くことはできない楽曲とは?

2022/06/10 16:34掲載
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Andy Summers
Andy Summers
ポリス(The Police)アンディ・サマーズ(Andy Summers)が語る「ポリスのキャリアを象徴する5つの曲」。GuitarPlayer企画。サマーズはそのひとつ、「Message In a Bottle」は「本物のギタリストでなければ、うまく弾くことはできない」と述べています。

※「Message In a Bottle」以外のコメントは抜粋です

1. “Message In a Bottle” by the Police from Reggatta De Blanc (1979)



「スティングが持っていたリフを見せてくれたんだけど、それを僕がアレンジしたんだ。僕ならスウィングさせたり、ロックさせたりすることができるからね。すぐに何かあるとわかったし、僕らのスタイルを進化させるような演奏ができることに興奮したんだ。

C#マイナー、A、B、F#マイナーといったコードをただかき鳴らすのではなく、スチュワートのハイハットとうまく調和するような形で、音符のアウトラインを描いていったんだ。この曲のレコーディング・ヴァージョンは、スチュワート(コープランド)がこれまでに手がけたドラム・トラックの中で最高のものだと言えるだろうね。

スタジオでは、2つ目のギター・パートを追加したのでハーモニーが生まれたんだ。その後、よりロックなコーラスに入るけど、ヴァースはクラシックなポリスのサウンドで、トニック、5th、9thを加えたコードのアウトラインが再び描かれる。

ソロもオーバーダビングした。当時は、ある種の宗教的(※信仰のように堅く守らないといけない)なパンク・シーンで、ギター・ソロは古株の証とされていたんだ。スチュワートはそのことに激怒していたけど、僕は素晴らしいソリストだったから、もちろん思いっきりソロを弾いたよ。

僕たちはいつもそのことで奇妙な立場にあった。曲の終わりでソロを弾き始めると、スティングが“ああ、すごくいい。そのままで、そのままで”と言っていた。僕が気に入るほどの大音量ではなかったけど、でも、それはとても気持ちのいいものだった。

有名なリフだけど、正直言って弾くのは難しい。みんな弾きたいと思っているけど、弾けない人が多いんだ。ストレッチが大きすぎるからね。本物のギタリストでなければ、うまく弾くことはできないよ。

長年にわたって、いろいろな方法で、いろいろなポジションで演奏してきた。いろいろやってみようと思って、2つ目のコード、Aを開放弦で弾くこともあるんだ、アドナインス・コードというわかりやすい形に行くのではなくてね。とてもクールだよ」

2. “Bring On the Night” by the Police from Reggatta De Blanc (1979)



「この曲には、指弾きのヴァース・セクションがある。スティングと僕の共通点は、クラシックギターが好きなことだった。僕もクラシックギターを何年も弾いていて、アメリカの学校で何年も勉強していたんだ。スティングと一緒になってから、彼がクラシック・ギターに夢中になっていることを知ったんだ。僕はよくクラシックギターの曲を聴かせたよ。ハイター・ヴィラ=ロボスとかバッハとかね」

3. “Reggatta De Blanc” by the Police from Reggatta De Blanc (1979)



「ステージでのジャムから生まれたんだ。当時はまだ曲数が少なかったから、曲数を増やす必要があったんだ。ショーの終盤になると、“Can't Stand Losing You”を演奏して、途中で巨大なジャムをして、僕がギターでいろいろなものを弾くんだ」「時が経つにつれて、このジャムは発展していった。スティングが観客に向かって何か呪文のようなものを唱え始めたんだ。スチュワートはハイハットをかき鳴らしながらね。そして、適切なタイミングでBからAへのムーヴメントに飛び乗るんだ」「この曲でグラミーを受賞した」「ステージで汗を流しながら有機的に成長したものがグラミー賞を受賞したのだからとても満足だよ。そして、もちろん、他の何にも似ていないサウンドだった」

4. “De Do Do Do, De Da Da Da” by the Police from Zenyatta Mondatta (1980)



「この時点までに、ポリスのスタイル・アプローチをほぼ正確に理解していた。コード構成や演奏している音楽の種類は関係なく、ポリスのサウンドにすることができたんだ。“De Do Do Do Do Do”では、ただコードを叩くのではなく、少しリズミカルなアプローチで演奏している。各コードのアウトラインを指で弾くような感じで、それによってサウンドが変わってくるんだ。それが、僕らの曲を長持ちさせた要因だと思うよ」

5. “Driven to Tears” by the Police from Zenyatta Mondatta (1980)



「かなり複雑なアレンジになっているよね。僕たちはクリエイティブなジャムをしていて、スティングは最終的にトップで泣き叫び始め、僕はいろんなものを演奏した。従来のギターソロではなく、大きな音やパッセージなど、いろいろなものがあった。この曲は、レコーディングの前にステージで演奏したことはなかったと思う。レコーディングから半年もすると“あ、しまった。レコーディングの時にやっておけばよかった”と思うような典型的な状況になる。キーを上げたり戻したりして、何通りか演奏したのは覚えているよ」「歌詞の内容が戦争と苦しみについてなので、怒りに満ちたものである必要があった」「1テイクでできたと思う。みんなそれを聞いて、“これだ。これだ”と言っていた。ステージで同じように演奏したことは一度もないんだ」「ステージでは、とてもルーズだった。曲は拡張され、派手なやり方ではなく、ただ範囲を広げていった。そうすることで、よりエキサイティングになったと思う」