バングルス(The Bangles)の
スザンナ・ホフス(Susanna Hoffs)は「これなしでは生きられない5枚のアルバム」を発表。米SPIN企画
■Blue, Joni Mitchell
「このアルバムは教育的なものだった。歌と表現のレッスン。詩とストーリーテリングの勉強。ジョニは言葉で絵を描くから、キャンバスに絵を描いても不思議じゃない。彼女の歌は鮮やかな色彩で咲き誇る」
■Purple Rain, Prince and the Revolution
「私は一日の始まりを“Let's Go Crazy”で始めるのが好き。このアルバムの隅々まで、生々しく、正直で、抑えきれない感情が伝わってくる。傑作。歪んだゴスペル風のオルガンと“愛する者たちよ、今日ここに集まったのは、人生というものを乗り切るためだ”というセリフで始まるこのアルバムのオープニングが大好きです」
■The Velvet Underground & Nico, The Velvet Underground & Nico
「このアルバムにはたくさんの美しさがある。テーマと音のコントラストの研究。ダークとライト。シマーとドローン。ディストーションとクラリティ。このレコードは、バンドが一緒に演奏しているサウンドを捉えている。私は、70年代後半にカリフォルニア大学バークレー校の美術専攻の学生だった頃、この作品に出合った。私の人生を大きく変えた。音楽、映画、演劇、ストーリーテリングなど、私の情熱のすべてを、バンドというアートプロジェクトに統合できることに気づいたのです。デヴィッド・ロバックとの“I'll Be Your Mirror”、マシュー・スウィートとの“Sunday Morning”、そして最近では私の最新アルバム『Bright Lights』で“Femme Fatale”を録音するなど、自分の作品の中で何度もこのアルバムに立ち返っています」
■Dionne Warwick’s Golden Hits Part 2, Dionne Warwick
「母が繰り返し聴かせたこのアルバムは、私の子供時代のサウンドトラックとなった。“I Say a Little Prayer”、“What the World Needs Now is Love”、“Are You There with Another Girl”。 バート・バカラックとハル・デヴィッドの名曲は、深く親しみやすい感情を表現し、素晴らしい物語を語ってくれる。そしてディオンヌ・ワーウィックの声、彼女の見事なフレージング、表現力、音色...私はそれを研究しました。それから何年かして、『オースティン・パワーズ』のために“The Look of Love”と“Alfie”を録音しました。バートとハルは実際に映画のために“Alfie”を“Austin”に変える許可をくれたのですが、それは私の人生の真のハイライトでした」
■Help!, The Beatles
「6歳のときから大好きなレコードです。今、振り返ってみると、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人の個性が際立って輝いていますね。ジョンは喪失感や憧れを歌に託し、ポールはセックスや情熱、ロマンチックな愛を煌びやかなトーンで歌い上げる。ジョージの繊細さと内省的な歌声は聴く者の心を引きつけ、リンゴはグルーヴであり、スウィングであり、バックビートなのです。それから、ハーモニー、ビートルズの声の相互作用、コール&レスポンス、ケーキを重ねたようなオーとアー、飽きのこないメロディがある。
このアルバムは、丁寧に作られたアレンジメントが光っている。完璧に配置されたリフ、ストラム、ドラムフィル、メロディックなギターソロはエアギターができるほど個性的。美しい瞬間がたくさんある。ポールが“The Night Before”で“僕らがしたことを考えると、泣きたくなる”と歌った瞬間。ジョンのハスキーな声質と“You've Got to Hide Your Love Away”での孤独なタンバリンのヒット。ジョージの悲しげな“I Need You”はボリューム・ペダルの開きがカッコいい。“Another Girl”でのポールのヴォーカルと、彼のフレーズに応えるツインギング・ギター・リフ。リンゴのジャジーなドラム・フィルが印象的な“You Like Me Too Much”、カントリー&ウエスタンへのオマージュを込めた“Act Naturally”など。
ジョージが12弦のリッケンバッカーで弾く“Ticket to Ride”のオープニングのギターリフを聴いて、私は初めてリッケンバッカーを買い、それ以来ずっとそのギターを生涯愛し続けています」