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ボブ・ディラン 新アナログオーディオフォーマットのために「風に吹かれて」を新録 一点物として競売へ

2022/05/26 11:50掲載
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ボブ・ディラン(Bob Dylan)は「Blowin’ in the Wind(邦題:風に吹かれて)」を、長年のコラボレーターであるTボーン・バーネット(T-Bone Burnett)が開発した新しいアナログ・オーディオ・フォーマット「アイオニック・オリジナル(Ionic Original)」のために新たにレコーディングしました。60年前にオリジナルを録音して以来のスタジオ録音とされるこの新録音版はTボーン・バーネットがプロデュースしています。この新録音版は、このフォーマットの初作品としてリリースされることが決定。1枚のみ提供される予定で、7月7日にロンドンのクリスティーズでオークションにかけられる予定です。落札予想価格は60万ポンドから100万ポンド(約9620万円〜約1億6千万円)。

バーネットは4月に「アイオニック・オリジナル」を発表しました。アナログレコードのように見えますが、異なる新しいディスク・フォーマットです。声明によると、アイオニック・オリジナルは「アルミニウムのディスクにラッカー塗装を施し、音楽によって螺旋を刻み込んだもの」だという。これは、蓄音機で使われた壊れやすいシェラック製から、現在のアナログレコードで使われているポリ塩化ビニル製に移行して以来、70年以上ぶりのアナログ音楽再生の大きな進展となると主張しています。音の忠実性という点ではレコード、CD、ストリーミングを凌ぐと言われており、バーネットは“レコーディング・サウンドの最高峰”と説明しています。

バーネットは以前に声明の中で、アイオニック・オリジナルを次のように説明しています。

「アイオニック・オリジナルは、レコーディング・サウンドの最高峰です。アーカイバル(記録として保管できる)クオリティで、未来を約束する、唯一無二の存在です。アイオニック・オリジナルは絵画に匹敵するだけでなく、絵画なのです。アルミニウムのディスクにラッカーが塗られ、音楽によって螺旋が刻まれています。この絵画には、その音楽が含まれており、螺旋にスタイラスを入れて回転させると、その音楽を聴くことができるのです。

レコーディング音楽のサウンドの歴史を踏まえ、バーネットはレコード、CD、ストリーミングなど、あらゆるレコーディング音楽を体験する手段を超える深み、響き、音の忠実性を持つアナログ・ディスクを開発しました。新会社NeoFidelity, Inc.を設立し、幅広い音楽ジャンルのアーティストをレコーディングし、アイオニック・オリジナルの配信プラットフォームを提供することで、バーネットはレコーディング音楽の評価をリセットすることを決意しています。

アナログの音がデジタルの音より優れていることを表現するとき、よく“温かみ”という言葉が使われます。アナログの音は、より深みがあり、より複雑なハーモニーを持ち、より共鳴し、より良いイメージングを持っています。アナログの音はより多くの感触、より多くの特徴、より多くの感触を持っています。デジタルの音は凍っています。アナログの音は生きているのです」