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ヴァンゲリス死去 『ブレードランナー』『炎のランナー』等

2022/05/20 02:35掲載(Last Update:2022/05/20 15:50)
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Vangelis
Vangelis
『ブレードランナー』や『炎のランナー』などの映画音楽も担当したギリシャの作曲家・シンセサイザー奏者のヴァンゲリス(Vangelis)が死去。英ガーディアン紙や米ワシントン・ポスト紙によると、彼の代理人は、治療を受けていたフランスのパリの病院で5月17日に亡くなったと伝えています。詳しい死因は明らかにされていませんが、ギリシャのニュースサイトINは新型コロナウイルスの治療を受けている最中だったと報じています。ヴァンゲリスは79歳でした。

ヴァンゲリスことエヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウは、1943年3月ギリシャのヴォロス生まれ。父は画家、母はシンガーという芸術一家に育ち、4歳からピアノを始める。60年代前半にFORMYNXというポップ・バンドを結成して、音楽活動を本格的に始める。1968年にはデミス・ルソス、ルカス・シデラスとともにアフロディテス・チャイルドを結成。パッヘルベルのカノンを編曲したシングル「Rain and Tears(雨と涙)」がヨーロッパや日本で大ヒットし、頭角を現す。その後、音楽的方向性の違いによりバンドは解散。ソロ・アーティストとして本格的に活動を始める。

1973年に初のソロ・アルバム『EARTH』を発表。以降、『Heaven and Hell(天国と地獄)』、『Albedo 0.39(反射率0.39)』、『Opera Sauvage(野生)』、『China(チャイナ)』、『Direct(ダイレクト)』、『The City(シティ)』、『Oceanic(オセアニック)』等々、多くの作品をリリースし、エレクトロニック・ミュージックの先駆的存在として世界的に高い評価を得た。

また一方で、数多くの映画音楽も手掛けた。彼の評価を世界的に高めたのは『Chariots of Fire(炎のランナー)』、『Blade Runner(ブレードランナー)』、『1492 - Conquest of Paradise(1492コロンブス)』のサウンドトラックで、特に『Chariots of Fire(炎のランナー)』では1982年のアカデミー賞で作品賞とオリジナル作曲賞を受賞。テーマ曲は世界的に大ヒットした。このほか、『L'apocalypse des Animaux(動物の黙示録)』、『Antarctica(南極物語)』なども手がけた。

2000年のシドニーオリンピックの閉会式ではオーストラリアからギリシャにオリンピックの旗を引き継ぐ際の音楽と指揮を担当、さらに2004年のアテネオリンピックでは公式エンブレムに付随するロゴ音楽も手がけた。また、日韓同時開催となった2002 FIFAワールドカップでは公式アンセムを手がけた。彼はバレエ音楽や舞台音楽なども手がけた。