企業のトレードマークとしても知られる、蓄音機に耳を傾ける犬ニッパーを描いた絵画『His Master's Voice』。1900年に撮影された『ニッパー大暴れ!(原題:Nipper Runs Amok!)』という無声映像が話題に。ニッパーに似た犬が蓄音機の前ではしゃいでいる様子が映し出されています。
絵画『His Master's Voice』を描いたのは画家フランシス・バロウド。ニッパーはもともと、兄のマークが飼っていましたが、マークが亡くなったあと、ニッパーを引き取っています。
フランシスが絵画『His Master's Voice』を描いたのはニッパーの死から3年後の1898年。もともとはゼンマイ式フォノグラフ(円筒型蓄音機)を聴くニッパーが描かれていました。
その後、1900年に、ニッパーがグラモフォン(円盤型蓄音機)を覗いている姿に修正され、著作権がグラモフォンに売却されています。
1900年に撮影された『ニッパー大暴れ!』は、グラモフォン社に著作権が売却された後、同社の社員であるウィリアム・シンクラー・ダービーとセオドア・バーナード・ビーンバウムの二人が、おそらく広告目的で撮影した作品です。
すでにニッパーは死んでいるので、ニッパーに似た代わりの犬が起用されています。
映像はEMIアーカイブ・トラストが公開しているものです。