メタリカのコンサート中に女性が出産　「Enter Sandman」の音と共に男児が誕生

メタリカ（Metallica）のコンサート中に、妊娠39週目の女性が陣痛を起こし、バンドが「Enter Sandman」で公演を締めくくろうとしていた時にスタジアム内で男児を出産しました。メタリカもInstagramのStoryでこの出来事を伝えています。

5月7日にブラジルのクリティバで行われたメタリカのコンサートは、2019年に2度延期されて、ついに実現したものでした。3年前にチケットを購入していたタトゥーアーティストのジョイス・M・フィゲイロは、妊娠39週目の状態で、このコンサートに参加しました。

ジョイスのInstagramページによると、コンサート途中まで全く問題なかったのですが、「ライヴが終わる3曲前に」陣痛が始まったという。海外のセットリストサイトsetlist.fmによると、アンコールは全3曲なので、アンコールと同時に陣痛が始まったようです。

ジョイスはすぐに破水。到着した救急隊員は、救急車で近くの病院に彼女を連れて行くつもりでしたが、赤ちゃんが生まれる寸前だったため、それは不可能で、メタリカの演奏中に会場のコウト・ペレイラ（サッカークラブ・コリチーバFCのホームスタジアム）で出産することになったのです。

ジョイスによると、男の子は現地時間の2022年5月7日23時15分に「Enter Sandman」の音ともに生まれました。名前はルアン君。

ジョイスは「どんなコンサートでも何かが起こるものだけど、今回は自分に打ち勝てたと思います（笑）」とも投稿しています。

【update：2022/05/12 11:29】
ジョイスはバンドのフロントマンであるジェイムズ・ヘットフィールドからお祝いの電話を受けたそうです。その様子を撮影した動画が公開されています



【update：2022/07/16 17:44】
母親のジョイスは英ガーディアン紙に当時あったことを寄稿しています。バンドが「Enter Sandman」を演奏しているときに生まれたルアン君ですが、彼が生まれた直後のことをこう振り返っています。

「赤ちゃんは泣かず、顔色は紫色でした。みんな黙っていた。（夫の）ハイメは祈りはじめた。医者がへその緒を切ると、ついに泣き出した。ちょうどメタリカのライヴが終わった時だった。ステージから花火が上がり、観客は歓声を上げた。みんな泣き出した。魔法のような瞬間だった。

何万人もの人々がスタジアムを出ていく中、私たちは救急車に乗せられた。私たちを見た観客は、このライヴで赤ちゃんが生まれたことに気づき、みんなが拍手をして“メタリカの赤ちゃん”を祝福してくれました」

またジェイムズ・ヘットフィールドからお祝いの電話を受けたときのことを、こう振り返っています

「電話をスピーカーにし、私たちはそれを聞きました。“メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドだ”という声が聞こえた。信じられなかった。私は“本当に？　冗談でしょう。冗談に違いない”と思いました。ジェイムズはとても親切でした。彼は私に大丈夫か、赤ちゃんは元気かと聞いてくれました。私たちは彼に一部始終を話しました。彼には3人の子供がいて、2人目は1人目より早く、3人目は一番早くやってきた、なぜなら彼らは出口を知っているからだと言っていました。私たちは笑いました。

私たちはすでに赤ちゃんの名前をルアンに決めていました。でも、みんなは“なぜメタリカに関連したものでないのか？”と尋ねるようになりました。私たちは電話でジェイムズとのつながりを感じたので、ルアンのセカンドネームをジェイムズにすることにしました。今、彼はメタル以外の音楽を聴くことができません。彼は赤ん坊のヘッドバンガー（メタル・ファン）です。彼の祖父も誇りに思っていることでしょう」

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