ゲス・フー(Guess Who)は
ザ・フー(The Who)に改名を迫ったという。ゲス・フーや
バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ(Bachman-Turner Overdrive)での活躍でも知られる
ランディ・バックマン(Randy Bachman)が英Classic Rock誌のインタビューの中で語っています。またバックマンは、
エアロスミス(Aerosmith)の
スティーヴン・タイラー(Steven Tyler)との最初の出会いや、精神を病んでいた
ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)が徐々に回復していく過程に立ち会ったときについても語っています。
■ザ・フー
「ゲス・フーにいたとき、ザ・フーというイギリスのバンドのことを知り、名前を変えさせようと思ったんだよ。僕たちはロンドンにいて、ザ・フーがマーキー・クラブで演奏していたので、彼らに立ち向かうために降り立ったんだ。そのライヴは、ドイツのテレビ番組向けに撮影が行われていたので、4時間くらい待たされたよ。
結局、彼らに会えて、こう言ったんだ。“俺たちはお前より先にここにいたんだ。だから、名前を変えてくれ、みんなを混乱させるから”。ピート・タウンゼントは僕たちを見て“ヤードバーズとバーズがある。誰もそんなことで混乱はしない。消えうせろ(bugger off)”と答えたんだ。
この2つのバンドは、実際に大親友になった。この“bugger off(※消えろ。失せな。どっか行っちまえ)”というフレーズは、僕たちの中でのジョークでもあった。ホテルにチェックインしてザ・フーがいると分かると、夜中の3時に電話をかけて、相手が出たら“bugger off!”と言って電話を切るんだ。彼らも僕たちに同じことをするんだよ」
■エアロスミス
「BTO(バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ)がボストンでライヴをやることになって、地元のプロモーターがエアロスミスという若いバンドに前座をやらせてもいいかと聞いてきたんだ。彼らを調べてみると、当時ラジオで“Dream On”という曲が流れていた。ツェッペリン的な感じで、なかなか良さそうだったので、承諾したんだ。
そのライヴの前に楽屋にいたら、ピエロが歩いてきたんだ。彼はシルクのパジャマを着て、大きなサングラスをして、みんなとハイタッチしようとしていたんだ。どうやってセキュリティを突破したのかわからないが、僕たちは彼にすぐに出て行くように言った。
彼は“こんにちは、僕は......”と説明しようとした。“出て行け!”と僕は叫んだ。“いや、君はわかってない...”と彼はもう一度説明を試みた。“出て行け!”と僕は繰り返し、彼を廊下へ押しやった。それがスティーヴン・タイラーとの最初の出会いだった。今、彼に会うと、まずこう言われる。“出て行け!”」
■ブライアン・ウィルソン
「(カナダの)ウィニペグの雪の中で育った僕は、ビーチ・ボーイズのようなバンドにインスピレーションを与えるのはどんな場所なんだろうと考えていた。太陽、サーフィン..僕には異質なものばかりだったけど、ブライアンが天才であることは知っていた。
彼が精神病院を退院して、少しずつ現実の生活に戻ってきた頃に、ビーチ・ボーイズのツアーに参加する機会があったんだ。その時、そばにいたのはいい経験だった。他のバンドメンバーからも、彼に対する愛と愛情が溢れていたんだ。
ブライアンは以前、僕のホテルの隣の部屋を使っていたことがあって、それは彼が精神科医のユージン・ランディと一緒にいたときだった。彼はブライアンの部屋に隠しマイクを仕掛け、自分の部屋にもアンプを設置して、ブライアンが外出するときに聞こえるようにしていたんだ。問題は、ブライアンが子供のようにまっすぐ歩いて迷子になることだった。だから、ランディは彼の後ろから目立たない距離でついていって、ちゃんと帰ってこられるかどうか確認していたんだ。
ブライアンが徐々に回復していく過程に立ち会えたことは、とても光栄なことだったよ」