Holly Cole Trio / Blame It on My Youth
1990年代に『コーリング・ユー』が日本で大ヒットした
ホリー・コール(Holly Cole)。カナダのNMC Amplifyの最新インタビューで当時を振り返っています。
ホリー・コールは、ホリー・コール・トリオ名義のアルバム『コーリング・ユー(原題:Blame It On My Youth)』が日本で大ヒットし、当時の日本ゴールド・ディスク大賞でジャズ・アルバム賞と新人賞の2部門を獲得しました。
その授賞式について「テレビの生放送に出たとき、熱狂的なファンがいて、大声で叫んでいて、びっくりした」とコールは言っています。
授賞式では、洋楽のアーティスト・オブ・ザ・イヤーのプレゼンターも担当しました。
「最優秀インターナショナル・アーティスト賞のプレゼンターを頼まれたんだけど、それがマドンナでした。彼女はその場におらず、ビデオで受賞スピーチを送ってきていました。なので、私は“マドンナです”と受賞を発表して、“残念ながらマドンナは今夜ここに来られないけど、彼女は私の親しい友人の一人だから、ここに来られなくてどんなに残念かを私に言ってほしいと思っているはずよ”と言ったの。楽しかったわ」
コールは日本でアルバム『コーリング・ユー』が発売されることになった逸話を語っています。
「嘘みたいな話だけど、本当なのよ。まさに草の根運動みたいなもので、大げさに宣伝したわけでもなく、たくさん宣伝したわけでもない。2枚目のアルバム『コーリング・ユー』を日本のレコード会社に渡したら、“気に入ったけど、うちには合わない”って言われたのよ。残念だった。彼らは日本でリリースするつもりはなかったのよ」
このアルバムは、すでにアメリカでも発売され、少し注目されていました。しかし、その時、レーベルは奇妙なことに気づきました。実は、このアルバムの多くがアメリカを離れていて、日本から注文が入っていたのです。
「日本人が輸入して買っていたのは、ある人がラジオ番組でかけたからなのよ。彼が“Calling You”をかけたら、みんなが夢中になったのよ。この人のおかげで大きなうねりができて、突然、日本のレコード会社が“ごめん、発売しないって言ってたっけ?”ということになったのよ」
カナダのNMC Amplifyによると、コールはこの年、日本円で2億7400万円以上売り上げました。東芝EMIから発売されたアルバムとしては、国内外を問わず、その年に最も売れたアルバムとなった、NMC Amplifyは報じています。
日本でブレイクしたコールは、現在もその恩恵を受けています。彼女は20回以上も日本ツアーを行っており、日本やカナダでのツアーが彼女の一番の楽しみであると話しています。