1970年代、日本のフォーク・ロックの黎明期を支え、後のJ-POPの発掘に大きな影響を与えたベルウッドレコード。設立50周年を記念したアニバーサリーコンサートが11月11日(金)に東京・中野サンプラザで開催決定。また、これに合わせる形でベルウッド・レーベルの1970年代の名作が今秋、配信・ストリーミング解禁されることも決定しています。
1970年代、日本のフォーク・ロックの黎明期を支え、後のJ-POPの発掘に大きな影響を与えたレーベル「ベルウッドレコード」。キングレコードの社員だった三浦光紀氏がニューミュージックを手掛けるため、初のメジャー系独立レーベルとして立ち上げ、1972年4月25日にその記念すべき第1弾をリリースしてから半世紀となる今年、レーベルは設立50周年を迎えます。その50周年のアニバーサリーコンサートがレーベルを支えたアーティスト達とともに今秋開催されることが決定しました。これに合わせる形でベルウッドレーベルの1970年代の名作カタログが今秋、配信・ストリーミング解禁されることも決定。これに関わる情報は今後、50周年の特設SNSなどを通して随時更新告知していくとのこと。是非ともお楽しみに。
ベルウッドレコードHP
http://bellwoodrecords.co.jp/ <三浦光紀氏コメント>
ベルウッドレコードは本年4月25日をもちまして創立50周年を迎える運びになりました。これも偏に、ベルウッドの作品を半世紀に亘って応援してくださったファンの皆様はじめ、ベルウッドから作品を出してくれたミュージシャン、レーベルを支えてくれたキングレコードそして、ベルウッドの真の主役である裏方(関係スタッフ)の方々の厚い支援と温かいレーベル愛の賜物だと、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
思えば、1962年のビートルズとボブ・ディランの登場によりロックの時代が到来し、70年代には、そのロックやフォークが世界のメインカルチャーにまでなり、商業的成功を果たしたアーティスト達が社会的メッセージを発信するなど、正にミュージシャンが社会をリードするまでになりました。そんな状況の中1972年、ベルウッドレーベルは産声を上げました。
私は「商業的価値より文化的価値」を標榜する米国のフォークウエイズレコードを念頭に、「レコード芸術の追求」と「アーティスト至上主義」を掲げ、ベルウッドのレーベルが『信頼の証』となるべく、「クオリティが高く、時が立つほど価値が上がるレコード作り」を目指し、レーベル運営をやらせていただきました。
あれから50年、世界的なアナログレコードの人気再燃の流れが顕著になったり、昨年末に発刊された『プカプカ/西岡恭蔵伝』(小学館)に「ポール・マッカートニーのレコード・コレクションにベルウッドレーベルのレコードが数多く集められているのは有名な話らしい。生前のジョン・レノンもベルウッドレーベルのレコードを大切に所有していた」というお話しがあったようにベルウッドレーベルは世界からも注目されるようになっていったようです。
音楽の未来は「ストリーミング」から「ストリーミング+NFTメタバース」に向かってるなどと予想される今、私もベルウッドレーベル50周年を機に、ベルウッド作品の世界化と芸術化を推進できればと思ってます。
今後とも、何卒ご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
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<50th Anniversary Concert>
ベルウッドレコード50周年記念コンサート
日程:2022年11月11日(金)
会場:東京・中野サンプラザ ■出演者・チケット販売情報は後日発表
主催・企画:ベルウッドレコード/キングレコード
制作:トーン
運営:ディスクガレージ
<レーベル プロフィール>
ベルウッドレコードは、1972年の春に発足した。第1回目の新譜として、六文銭『キングサーモンのいる島』、高田渡『系図』、山平和彦『放送禁止歌』の3枚のアルバムを発表、同時に、あがた森魚「赤色エレジー」、友部正人「一本道」の2枚のシングルがリリースされ,
その「赤色エレジー」が60万枚を超える大ヒットとなり、順風満帆のスタートとなった。ベルウッドは、当時キングレコードのディレクターであった三浦光紀がレーベル内レーベルのような形で設立したレーベル(73年5月からは新たな会社組織となる)。新しい発想と企画力をもったレーベルであり、ミュージシャンたちから信頼を得ていった。その中には、のちにベルウッドから代表作をリリースすることとなる、はっぴいえんど、加川良、ザ・ディランII、はちみつぱい、西岡恭蔵、いとうたかお、シバなどがいる。(大瀧詠一、細野晴臣のソロ・アルバムもリリース)
70年代当時から日本のフォークやロックを語る上で欠かすことができないばかりか、今なお多くのフォロワーを抱える類い稀なレーベルとして今でも多くの音楽ファンの間で認知されているのがベルウッドレコードなのである。
<三浦光紀(みうら こうき)プロフィール>
<略歴>
1968年 早稲田大学卒業、同年キングレコード㈱入社
1972年 キングベルウッドレコード㈱創立。取締役制作部長就任
1975年 日本フォノグラム㈱<現ユニバーサル ミュージック合同会社>に移籍
「ニューモーニングレーベル」創立。チーフプロデューサーに就任
同年 ㈱フォーライフレコード創立に参加。株主&プロデューサーとなる
1980年 ㈱ジャパンレコード創立。代表取締役専務就任
1984年 ㈱徳間ジャパンコミュニケーションズ創立。取締役専務就任
1995年 マーキュリー・ミュージックエンタテインメント㈱<元・日本フォノグラム>復帰(★注1)。代表取締役会長就任
2000年 ㈱徳間ジャパンコミュニケーションズ復帰(★注2)。特別相談役就任
2018年 ㈱ベルウッドグループ創立。取締役ファウンダー就任
※2012年には、ベルウッドレコード創立40周年を記念して「三浦光紀の仕事」(CD4枚組BOX)が発売された。 プロデューサー個人名でのCD発売は日本初。
※2016年には「ベルウッドの軌跡」(奥和宏・著)が出版される。
<発掘または関係した主要アーティスト>
1 キングベルウッドレコード はっぴいえんど/細野晴臣/大瀧詠一/小室等/高田渡/あがた森魚 ほか
2 ニューモーニングレーベル 矢野顕子/喜納昌吉 ほか
3 ジャパンレコード BOØWY/ZIGGY/リンドバーグ/Rough Trade ほか
4 徳間ジャパンコミュニケーションズ 五木ひろし/千昌夫/吉幾三/安田成美/一世風靡セピア(哀川翔、柳葉敏郎)/岡本真夜 ほか
5 マーキュリー・ミュージックエンタテインメント 松田聖子/U2/エルトン・ジョン ほか
<創立または設立に関わった会社>
1 キングベルウッドレコード㈱ (1972年)
日本初の企業内独立レーベルで、日本初のパーソナルレーベルでもあった。「今日の日本語のロックに最も強い影響を与えた“伝説のレーベル”」(ストレンジデイズ誌)で、最近は欧米のアナログレコードファンの間でも評判になり、海外でも発売されている。
2 ニューモーニングレーベル (1975年)
世界で活躍するアーティストの発掘・育成を目的に設立されたレーベル。このレーベル出身の、矢野顕子(N・Y在住)、山岸潤史(ニューオーリンズ在住)、喜納昌吉(沖縄在住)は、今も海外で活動している。尚、喜納昌吉の「花」は、アジアで3000万枚を売り上げた(読売新聞より)。
3 ㈱フォーライフレコード (1975年)
日本初のアーティスト(吉田拓郎・井上陽水・小室等など)が主体となって創立されたレーベル。当時は社会現象にまでなった。
4 ㈱ジャパンレコード (1980年)
「ニューモーニングレーベル」のアーティストとスタッフが独立して創立したレーベル。
5 ㈱徳間ジャパンコミュニケーションズ (1984年)
ジャパンレコードと親会社の徳間音楽工業が合併して設立された総合音楽会社。
これに伴い、徳間グループ(徳間書店、大映映画、スタジオジブリなど)の音楽部門の最高責任者となり、ジブリ作品など徳間グループが製作する映画全ての音楽プロデューサーになる。
※宮崎駿「風の谷のナウシカ」では、当時無名だった久石譲を音楽監督に起用。
6 CNプレイガイド社 (1986年)
当時「ぴあ」に次ぐ、全国ネットのチケット販売会社。
7 スペースシャワーTV社 (1989年)
伊藤忠と共に、日本最大の音楽専門チャンネルを設立。株主となり2001年上場。
8 ZOOMリパブリック社 (1991年)
音楽著作権事業とプロダクション事業の会社。
9 アートネット社 (1998年)
伊藤忠100%子会社で、エンタメコンテンツの投資会社。取締役会長就任。(★注3)
★注1
世界有数のレコード会社のポリグラムグループ<現・ユニバーサルミュージックグループ>本社(ロンドン)のアラン・レヴィーCEOに説得され、古巣のマーキュリーM・E<旧・日本フォノグラム>の代表取締役会長に就任。在任5年間で国内音楽部門の売り上げを7億円から40億円へ。その間、グループの売上高は、ソニーミュージックグループと並び、世界No.1になる。
※ポリグラムグループの日本法人社長、石坂啓一氏(後の日本レコード協会会長)は「三浦氏は現在の音楽産業界で、最強の企業家型プロデューサーである」(電波新聞)と評している。
★注2
徳間グループのオーナーである徳間社長より後継者として戻るよう要求され、復帰するも、徳間社長の急逝によりグループを去る。その後、投資会社G&Wを立ち上げ、プロデューサー&起業家として活動する。
★注3
創立に関わった会社は、アートネット社以外は、全て現存している。
2021年3月現在