ストレンジ・スターズ ―デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年
ヒューゴ賞受賞作家で音楽ジャーナリストの著者が、ポピュラー・ミュージック及びポピュラー・カルチャーへのサイエンス・フィクションからの大きな影響について風変わりで大胆なストーリーを踏査していく。書籍『ストレンジ・スターズ ―デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』が駒草出版から5月30日発売
■『ストレンジ・スターズ ―デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』
ジェイソン・ヘラー (著), 伊泉 龍一 (翻訳)
<内容>
ヒューゴ賞受賞作家で音楽ジャーナリストの著者が、ポピュラー・ミュージック及びポピュラー・カルチャーへのサイエンス・フィクションからの大きな影響について風変わりで大胆なストーリーを踏査していく。
1960年代が終わりに近づき、古い慣習が、セックス、ドラッグ、ロックンロールで浮かれ騒ぐ新種の自由へと取って代われたとき、デヴィッド・ボウイは『2001年宇宙の旅』を見るため、ロンドンの映画館の空いている張り出し席に紛れ込んだ。そして、彼はすっかり別の姿になって現れてきた……。
そして実際にボウイは、人類が遠い世界に望遠鏡の照準を合わせたとき、かつて変人たちが好むくだらないものとして片づけられていたサイエンス・フィクションの世界を、60年代に始まった革命を継続するのに必要な促進剤としてみなすよう他のロック・スターたちを先導したのだ。
著者ジェイソン・ヘラーは『ストレンジ・スターズ』の中で、サイファイとポップ・ミュージックを、言葉、サウンド、この世ならざるイメージを使って創造可能なものの展望を拡張するために互いに頼り合っていた並行勢力として捉え直す。崇拝されているミュージシャンたちの一世代全体を、彼はサイファイに夢中になった魔法使いたちとして描き出していく。カリフォルニア大学バークリー校で宇宙の中の黒人について講義を行うサン・ラー、アポロ11号の月面着陸のBBCの番組で即興ライブを行うピンク・フロイド、「紫がかったか霞」を抽出するジミ・ヘンドリクス、『スターウォーズ』の波に乗ったディスコ・チャートのトップ、シンセサイザーを巧みに操るポストパンク……。
コミック・コンの熱狂者、スーパーヒーローの大ヒット作、古典的なサイファイのリブートといった今日のカルチャーによって、奇妙な趣味に打ち込む変人たちがついに勝利したとのだと私たちが考えてしまっているのだとしても、『ストレンジ・スターズ』は比類なき創造性――雑誌、小説、映画、レコード、コンサートの中での創造性――に満ちた時代を生き返らせ、すでにそうした変人たちがこれまでもずっと勝利し続けてきたのだということを明らかにする。
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「このようなもの――常にロックンロールの核心部に潜伏するサイファイのインスピレーションを解読し、歴史の中を通過していくファンタスティックな航海記――は、これまでなかった。ジェイソン・ヘラーは、サン・ラーからクラフトワーク、Pファンク、ボウイまで、また『闇の左手』から『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン』まで、幻視者たちの星間におけるつながりを見つけ出している」。
――ロブ・シェフィールド、On Bowieの著者
ロックやポップ・ミュージックに対するサイエンス・フィクションの影響へと飛び込んでいくとてつもなく興味をそそる探求。ヘラーは、これらのファンたちの諸世界が交わりひとつとなる場所を探査するが、それは奇妙な趣味に打ち込む変人の輝かしい歓喜であり、ボウイをはるかに越えて拡張していく。それはJ・G・バラード、ジミ・ヘンドリクス、Pファンク、ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴ、フィリップ・K・ディックらの恍惚とさせる作品の間にある本質的な点を結びつける。
――ジェシカ・ホッパー、The First Collection of Criticism by a Living Female Rock Criticの著者
異星人のメロディーに心を開かせ、またお気に入りのクラシック・ロックやファンクを全く新しい方法で聴かせてくれる宇宙の叡智に満ちている。本書は、私のお気に入りのいくつかのアルバムに関するサイエンス・フィクションの影響について非常に多くのことを教えてくれた。しかもそれだけでなく、音楽がサイエンス・フィクションの世界をどのように形作ったのかについても驚くべきたくさんのことを教えてくれた。
――チャーリー・ジェーン・アンダース、All The Birds In The Skyの著者
「1970年代のポピュラー・ミュージックかサイエンス・フィクションに興味がある人ならだれもが、『ストレンジ・スターズ』の中に純然たる喜びとなる数えきれない貴重なものを見つけることになるだろう。そして熱心なファンたちは、本書を熟読した後、稀有なレコード盤をebayで捜し求め、破産することになりかねない」。
――ロブ・レイサム、The Los Angeles Revies of Book誌
「確かにヘラーは、救済を必要としているどんな変人の擁護として闘うことができるだろう。『ストレンジ・スターズ』はロックと宇宙の間の共通の土台と並進行する軌道を見出している」。
――Salt Lake City Weekly紙
「騒がしい1970年代の聴覚を刺激するサイファイ・ポップを踏査したい人にとっての素晴らしいガイド」。
――Starburst誌
「等しくポピュラー・ミュージックとSFのファンは、この1970年代の中心を通り抜けていく旅をとことん楽しめるだろう」。
――Library Journal誌
<著者について>
●伊泉龍一(いずみ・りゅういち)
翻訳家。
翻訳・監修:ピーター・ビーバガル著『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ――いかにしてオカルトはロックンロールを救ったのか』(駒草出版)、ジョン・マイケル・グリア著『生命の木――ゴールデン・ドーンの伝統のカバラ』(フォーテュナ)。アレハンドロ・ホドロフスキー、マリアンヌ・コスタ著『タロットの宇宙』(国書刊行会)など。
著書:『タロット大全——歴史から図像まで』(紀伊國屋書店)など。
●ジェイソン・ヘラー(Jason Heller)
デンバー在住。
CLARKESWORLDの元ノンフィクション編集者であり、その編集チームの一員として2013年にヒューゴー賞を受賞。
歴史改変小説TAFT 2012(Quirk)、SLAPPY'S REVENGE(Scholastic)、THE CAPTAIN JACK SPARROW HANDBOOK(Quirk)、および雑誌やアンソロジーの多数の短編小説の著者でもある。