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レッチリのフリー、バンドの活動休止期間中の大学で音楽理論などを学んだ経験が、いかに自分の演奏に大きな影響を与えたかを語る

2022/04/19 18:03掲載
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Flea - Photo: Joshua Peter Grafstein
Flea - Photo: Joshua Peter Grafstein
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)フリー(Flea)は、バンドの活動休止期間中の2008年秋、音楽への理解を深めたいという思いから、南カリフォルニア大学(USC)の音楽科に入り、音楽理論、作曲、ジャズトランペットを学びました。フリーは、リック・ルービンがホストを務めるポッドキャスト『Broken Record Podcast』に出演し、その経験がいかに自分の演奏に大きな影響を与えたかを語っています。

大学在籍時代に発見したピアノへの愛情は、やがてレッチリの最新スタジオ・アルバム『Unlimited Love』の創作プロセスにおいて重要な役割を果たすことになり、フリーはインタビューの中で、ピアノとの関係について詳しく話し、特にバッハに新たに抱いた賞賛について語っています

「まあ、ゆっくりとね。まだまだ謙虚に勉強しているんだ......ベースに対する思いは変わらないね。

ジョン(フルシアンテ)がバンドを辞めてから1年後くらいに、大学に行って音楽を勉強しようと思いついたんだ。USCに入るには、30年前の高校の成績では無理だったから、ロックスター特権みたいなものだよ。

音楽科に入って、理論、作曲、ジャズトランペットを学んだんだ。理論の宿題は、バッハのコラール(讃美歌)などを分析するために、ピアノの前に座らなければならなかった。楽譜を読んで、音楽がどのように機能するか、コードがどのように相互に関連しているのかを、数式で書かなければならないんだ。音楽を感情的、直感的にしか考えたことがなかった僕にとって、これはとても素晴らしいことだったよ。

オクターブや音階が何であるかは知っていたけれど、それはすべて感覚的なものだったんだ。だから、学問的に考えるということは、僕の心を動かす素晴らしい方法だったし、初めて数学が好きになり、数字の持つ魔法を理解することができたんだ。とにかく、この仕事をするためには、ピアノの前に座る必要があったんだ。また、僕の学術研究の核心であるバッハを分析したことで、バッハに恋をしてしまったんだ。バッハのピアノ曲の中で一番救済的なものを買ってきて、それを学ぼうとするようになった。指に触れるピアノの感触がたまらなく好きになって、弾くようになったんだ。

時間があれば、いつでも弾いている。仕事が忙しくて練習時間が取れないこともあるけど、これは継続的なことなんだ。新しいことを学ぶとき、しばらくやっていると、そのためのテクニックを覚えたり、どう機能するのかがわかってくるのが面白いところだよね。しばらくやらないで、また戻ってくると、なぜか上達している。脳が僕抜きでこの仕事をこなしていたかのようにね。脳のこのような働きには本当に驚かされる。歳をとるにつれて自分の知らないことがたくさんあることに気づく。それを目の当たりにするのは、とても素晴らしいことだよね」

ピアノを習ったことがベースとの関係にどのような影響を与えたかについて尋ねると、フリーはこう答えています。

「ベースラインがコードとどのように関係しているかをより深く理解することでコードについて学び、左手と右手を一緒に演奏することで常に相互作用することができるようになり、直感的にできるようになった。CのコードでGを弾くとしたら、それはCの5分の1だから、ベースの音によってCのコードの色が変わるんだ。

それがどのように機能しているかを意識して、コードに対して音を出せたらラッキーというのではなく、ラッキーという言葉は適切ではないけど、色を求めて手を伸ばしているのだから、コードとは何か、どんな音なのかを深く理解した上で、色を塗るための武器を持って臨んでいる感じだよ。チリ・ペッパーズでは、多くの曲がベースラインから始まったり、ベースラインがいくつも重なって別のセクションを形成していることがよくある。ベースラインが意味するコードを考えながら演奏すると、より良いベースラインを作ることができるんだ」