HOME > ニュース >

コロナで亡くなった父親がビートルズのレコードの中に残した娘に宛てた手紙 家族のもとに戻る

2022/04/16 20:07掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Barbara Schneider
Barbara Schneider
熱心なビートルズ・ファンだったブラジル人の父親カルロ・シュナイデルは、これから生まれる娘が15歳を迎えた時に誕生日に送る手紙を書き、その手紙をビートルズ関連のレコードの中にしまっていました。

それから14年後、新型コロナウイルスのパンデミックによって失業した父親は、生活のために、自分のレコードコレクションの大半を売りだします。手紙のことをすっかり忘れていたため、手紙を入れたレコードもその中にありました。

父親は2021年3月11日、新型コロナによって40歳の若さで息を引き取ります。

その後、妻のアルシオーネは手紙の存在を思い出し、購入者に手紙を返してほしいと依頼する動画をネットに投稿。この動画は拡散されます。

その結果、ジョン・レノンのアルバム『Imagine』の中に入っていた3通の手紙が見つかります。アルシオーネによると、シュナイデルからレコードを何枚か購入したという1人の男性がこの手紙を見つけ、その話に感動して、『Imagine』のレコードを手紙と共に家族に返しています。この男性も、自分の息子を新型コロナで亡くしていました。アルシオーネは「彼はただ、自分は息子を亡くした父親なので、父親を亡くした娘にプレゼントを贈ることができてとても嬉しいと言ったんです」と言っています。

2021年12月、手紙と一緒にレコードが届けられてきましたが、アルシオーネと娘のバルバラは、父親が提案した通り、誕生日に手紙を開封することにしました。そして2022年3月、15歳の誕生日を迎えたバルバラは、父親からの手紙を開封しています。

バルバラは「パパは、ママのことをとっても愛していると書いていました。ビートルズについても書いていて、ポール・マッカートニーはまだ生きているかなとも」と泣き笑いしながら話しています。

シュナイデルの手紙は未完成でした。文字のインクがかすれ、メッセージは唐突に終わっていて、彼のサインもありませんでした。しかし、アルシオーネにとっては、その手紙が夫からのものであることは疑いようがないという。第一に筆跡、そして第二に「My little doll」という表現から。シュナイデルは娘のことを「そう呼んでいた」と彼女は振り返っています。

残りの2通は、シュナイデルの友人からの手紙でした。アルシオーネによると、シュナイデルが売ったレコードの中に、他にどれだけの手紙がはいっていたのか、また、行方不明の手紙の中にシュナイデルが書いた手紙があるどうかは分からないのこと。

娘のバルバラは「手紙をもらって、ものすごくうれしかった。私たちはさよならを言えなかったけれど、この手紙でまたパパに会えたの」と話しています。