HOME > ニュース >

「メタルを完全に誤解している映画10本」 英Metal Hammer発表

2022/04/13 16:19掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Kiss Meets The Phantom Of The Park
Kiss Meets The Phantom Of The Park
「メタルを完全に誤解している映画10本」を英Metal Hammer誌が発表しています。ヘヴィミュージックの本質を完全に誤解している10本の映画を紹介しています。

■Kiss Meets The Phantom Of The Park(邦題:地獄の復活) (1978)

「このハンナ・バーベラ制作のフィーバー・ドリームは“くだらな過ぎて笑える”映画の愛好家にとって必要な作品だ。テーマパークを救うために、KISSが悪の発明家と戦うという、その前提さえも愉快だ。しかし、実際に見てみると、下手くそな演技、ばかばかしい衣装、目のレーザーを撃つドラマー、ピーター・クリスを目の当たりにすることになる。この映画は失敗の極みで、バンドは何年もの間、自分たちの前では誰もこの映画について話すことを許さなかった」



■Hard Rock Zombies (1985)

「『Hard Rock Zombies』は、純粋で狂気のファンタジー作品だ。ナチのカルト集団によって殺害され、墓から戻ってきたヘアメタルのバンドを描いている。しかし、この映画で最もシュールなのは、マネージャーがグルーピーに崇拝される写真を要求し、彼女たちがそれを拒否するシーンだ」



■Rock ’N’ Roll Nightmare (1987)

「『Rock ’N’ Roll Nightmare』は、ヘヴィメタルだけでなく、すべてを間違えている。このホラー映画は、ジョン・ミクル・ソーという筋肉マンからロックシンガーに転身した男が、脚本、製作、主演を務めた超安直なビデオ作品であり、彼のエゴイズムだった。歌は生気がなく、効果は最悪で、テンポは頭蓋骨が疲れるほど鈍い。くだらな過ぎて笑えるものでさえない。ただのクソだ」



■Black Roses (1988)

「ジョン・ファザーノ監督のB級ホラー映画だが、いくつかの点で優れている。サウンドトラックはMetal Blade Recordsからリリースされ、リジー・ボーデンが参加している。しかし、ストーリーとしては、当時のネガティブなヘヴィメタルのステレオタイプにすべて甘んじている。ブラック・ローゼズと呼ばれるツアー中のヘヴィメタル・バンドが小さな町のティーンエイジャーに影響を与え始め、バンドの演奏が彼らの両親を殺害させる。悪魔パニックの決まり文句のようなナンセンスなものばかりだ」



■Rock Star (2001)

「『ビルとテッドの大冒険』のスティーヴン・ヘレクは、ティム・オーエンズにインスパイアされたこの映画で、同性愛嫌悪と女性差別にまみれ、失脚した。マーク・ウォールバーグがたった1人でグランジを発明するという結末も、底知れぬクソさ加減。マイルス・ケネディのカメオ出演があるのがせめてもの救いか」



■The Rocker(邦題:ROCKER 40歳のロック☆デビュー)(2008)

「『スパイナル・タップ』を除けば、『スクール・オブ・ロック』はロックとメタルに関連した映画で最も愛されている作品かもしれない。ジャック・ブラックの現代的な名作から5年後に公開された『The Rocker』は、その愛すべき、子供とロックをする男の魅力を再現しようとしているが、その美学にはまったく及ばない。ドラムスティックを凶器に使うとか、ロックスターが有名になるとなぜかイギリス訛りになるといったジョークは、現実には何の根拠もない。結局のところ、すべてが手抜きの金儲けのように感じられる」



■Hesher(邦題:メタルヘッド) (2010) 

「『Hesher』は、見た目も音も非常にヘヴィメタルだ。ジョセフ・ゴードン=レヴィットは主人公のスタイルをクリフ・バートンから着想を得ているし、予告編の前半はメタリカの“Battery”だ。とはいえ、この作品は、鬱屈したメタルヘッドのステレオタイプを採用し、このジャンルの面白さがまったく認識されていない、暗い作品になっている。さらに、目的のない筋書きが加わって、この映画はスキップ可能な無用なものとなっている」



■Rock Of Ages (2012)

「監督のアダム・シャンクマンは、トム・クルーズやアレック・ボールドウィンといった大物を集めて、このジュークボックス・コメディを完成させた。しかし、自分が何をしているのかわからないままでは、いくらスターの力をもってしても救われない。ロサンゼルスのロッククラブを潰そうとする政治家という筋書きは、CBBCのアニメのようなニュアンスで、グラムロッカーが女の子みたいだというジョークは、容易なものだ。どのアイデアも、2012年はおろか、1989年までに使い古されたものばかりだ」



■American Satan (2018)

「メタルについて何も知らないで『American Satan』を見たら、一音たりとも聴くことはないだろう。Sumerian Recordsの創設者であるAsh Avildsenが監督したこの作品は、とんでもなくクレイジーなだけでなく、地獄のように女性嫌悪的だ。母親は娘を処女喪失のためにツアーバスに乗せ、女性は浮気をしたボーイフレンドを許し、レイプの話題は花瓶でアメリカンフットボールをするようにデリケートに扱われている。メタルが女性にとってより安全な場所になろうとしている時代に、これはまさに私たちが必要としない種類の投げやりな作品だ」



■Slayer: The Repentless Killogy (2019)

「『Metallica: Through The Never』に対するスレイヤーの回答。『 The Repentless Killogy』は、スラッシュ・メタルの叩きつけるようなサウンドトラックで、血みどろの復讐スリラーになるはずであった。しかし、血みどろのゴア映画としてはダサい。殺しのひとつひとつがありきたりか、あまりに突飛で思わず笑ってしまうようなものばかり。スレイヤーが登場するのは最後の方だけで、クライマックスでは“Angel Of Death”の30秒間のサウンドトラックが流れる。自分の映画の中で脇役に回ることを想像してみてください」