ジャズでは「It Could Happen to You」、「There Will Never Be Another You」、「My Old Flame」を、ロックではバディ・ホリー(Buddy Holly)の「Not Fade Away」、ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)の「You Win Again」などが収録されています。一方、オリジナル曲では、スコフィールドの「Honest I Do」のリメイク版や「Mrs. Scofield's Waltz」の新アレンジ版が含まれています。
しかし、スコフィールドが長年にわたって最も重視してきたのは、ジャズの伝統に対する深いコミットメントであり、ここでは数々のスタンダードを独自の解釈で演奏している。本作のライナーノーツでは、ケニー・ドーハムの「It Could Happen to You」がお気に入りであることを明かし、各曲に対する彼のコメントも掲載されている。スコフィールド自身のヴァージョンは、途中の軽快なキー・チェンジが印象的なスウィング感のある曲だ。また、ジェリー・マリガンとチェット・ベイカーのバックで演奏した「There Will Never Be Another You」では、初めてレコーディングに参加したときのことを回想し、軽快でコンパクトな冒険を披露している。アーサー・ジョンストンとサム・コスロウが作曲した 「My Old Flame」は特にミニマルなテイクで、ジョンはこの曲でループ・マシンを止めている。
彼自身の作曲した楽曲群は、このアルバムのハイライトの一つである。1991年に作曲・録音した「Honest I Do」は、実験的なギターの音色でソウルフルなバラードになっている。スコフィールド夫人がタイトルを付けたという1990年にジョー・ロヴァーノと録音した「Since You Asked」は、ギタリストの言葉通り「作曲というよりフィーリング」「60年代ジャズ・ア・ラ・コルトレーンのヴァージョン」であり、彼のブルース「エルダー・ダンス」と同じ高いレベルのエネルギーを保っている。
1. コーラル/ Coral (Keith Jarrett) 2. オーネスト・アイ・ドゥ/ Honest I Do (John Scofield) 3. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー/ It Could Happen You (Jimmy Van Heusen/Johnny Burke) 4. ダニー・ボーイ/ Danny Boy(Traditional) 5. エルダー・ダンス/ Elder Dance(John Scofield) 6. ミセス・スコフィールズ・ワルツ/ Mrs. Scofield Waltz (John Scofield) 7. ジャンコ・パートナー/ Junco Partner (Traditional) 8. ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー/ There Will Never Be Another You (Harry Warren/Mack Gordon) 9. マイ・オールド・フレイム/ My Old Flame (Arthur Johnston/Sam Coslow) 10. ノット・フェイド・アウェイ/ Not Fade Away (Buddy Holly/Norman Petty) 11. シンス・ユー・アスクト/ Since You Asked (John Scofield) 12.トランス・ドゥ・ジュール/ Trance De Jour (John Scofield) 13. ユー・ウィン・アゲイン/ You Win Again (Hank Williams)