米国の音楽サイトPitchforkは毎週日曜日に過去の重要なアルバムを徹底的に調査する「The Sunday Review」を行っています。2022年3月20日は、はっぴいえんどの『風街ろまん』(1971年)。レビューの点数は8.8点。「日本のロックの本質を決定づけた、1971年の見過ごされてきた名盤」と紹介されています。
レビューは、以下のように始まります。
「2007年、ローリング・ストーン・ジャパンは、はっぴいえんどの『風街ろまん』を日本のロック史上最高のアルバムと宣言した。このような賞賛を受けるバンドでありながら、はっぴいえんどは欧米ではまだそれほど知られていない。今日、はっぴいえんどは日本で賞賛されているが、『風街ろまん』は発売された年に1万枚以下しか売れず、いまだに(海外の)ストリーミングサービスでも配信されていない。この時点で、はっぴいえんどは(アーサー・リー率いる)Loveや(ブラジルの)ムタンチス(Os Mutantes)と同じように支持され、有名であるべきなのに、同列に語られることはほとんどない」
またレビューには
「はっぴいえんどはわずか3年の活動だったが、1971年の代表作『風街ろまん』に代表されるように、日本的なダイナミックなロックを創り出したことが不滅のレガシーとなった。歌はすべて日本語で歌われており、当初は革新的に聴こえるわけではない。1960年代後半のバンド、リトル・フィート、ザ・キンクスを彷彿とさせるような、さわやかでメロディアス、そして威勢のいいフォーク・ロックである。しかし、はっぴいえんどは1970年代初期のフォークロックを、概念的、構成的、感情的な深さを特徴とする独自のスタイルに作り変えた。このアルバムは、日本のアーティストと聴衆に、日本人としてのアイデンティティを保ちながら、西洋の影響を受けたポップミュージックを作ることができるということを示していた。これは、日本のポップの軌跡を永遠に変えてしまう画期的な出来事だった」
とも書かれています。レビューは以下のURLのページでご覧になれます。
https://pitchfork.com/reviews/albums/happy-end-kazemachi-roman/