世界保健機関(WHO)は、ナイトクラブやコンサートホールでの大音量の音楽は、若者の聴覚に深刻なリスクをもたらすと報告。安全な音楽の音量に関する新たなガイダンスを発表しています。
WHOによると、12歳から35歳までの若者の40%近くが、娯楽施設で有害となりうる騒音レベルにさらされているという。
WHOは、聴覚障害を防ぐために、最大平均音量を100デシベル(dB)とすることを推奨しています。
比較のために、WHOは「1日の許容騒音量」の表を公開し、さまざまな物や状況によって生じる音のレベルの例を示しています。
音量が大きくなると、安全に試聴できる時間が短くなります。1日に推奨される安全な音量レベルの目安は、あらゆる音について「85dB未満で最大8時間」です。
これは、例えば、高速道路の交通騒音は通常85dB程度であり、聴覚保護具なしで8時間高速道路の騒音にさらされても安全であることを意味します。
その表によると、一般的なヘアドライヤーは約100dBの音量を発生するので、1日の許容騒音量は約15分となり、またライヴ・コンサートは115dBの音量が発生することが多いので、1日の許容騒音量は約28秒です。雷は約125dBで、1日の許容騒音量は3秒でした。
WHOは、ほとんどのオーディオ機器、会場、ライヴ・イベントには安全なリスニングの選択肢がないと付け加えています。WHOの非感染性疾患部門のディレクターは、会場は音のレベルを監視し、人々の耳を休ませるために「静かな場所」を指定するべきだと述べています。
WHOは、聴力を保護するために、リスニング機器の音量に注意すること、例えば、静かな部屋では最大音量の60%程度にすることを推奨しており、また騒がしい場所に頻繁に行くときは、フィット感のある耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンを装着することも推奨しています。
■「1日の許容騒音量」