ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は1967年2月、2人のファンのために歌詞が書かれた紙を2つに破り、その裏にそれぞれサインして渡しました。その2つの紙が55年ぶりに再会、つなぎ合わされました。
英ガーディアン紙によると、1967年2月20日、出演予定だったチャック・ベリーがキャンセルしたため、その代役として
ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)がバース・パビリオンで演奏しました。
コンサートの前に、15歳と16歳の地元の女の子2人がサインを求めて楽屋に入ってきました。
ヘンドリックスは、彼女たちを迎えましたが、白紙の紙は持っていませんでした。ヘンドリックスは代わりに、手元にあったノートのページを破って半分にし、両方にサインをしました。これにはバンドの仲間であるミッチ・ミッチェルとノエル・レディングもサインしています。
コンサートが終わって家に帰る途中、女の子たちが紙を裏返すと、「51st Wedding Anniversary」というタイトルの手書きの歌詞が書かれており、横に「Key of B」と書いてありました。
その3週間後の3月17日、ヘンドリックスはシングル「Purple Haze」を英国でリリースしました。このシングルのB面曲が「51st Wedding Anniversary」でした。
その後、2人の友人は別々の道を進み、それぞれの人生を歩んでいましたが、昨年、女性の一人がランカシャーにあるロックンロール・メモラビリア・ショップ『Tracks Limited』に、彼女が持つ直筆サイン入りの紙の見積もりを依頼したことで動き出します。
このサインのストーリーを聞いた同ショップは、もう1人のサインの持ち主である友人を捜すことを、売り手の女性に依頼。彼女は、過去50年間にほとんど連絡していなかったにもかかわらず、何とかその友人をイングランドのバースで探し出し、彼女が自分の分の紙をそのまま持っていることを確認しました。
匿名希望の2人の女性は、それぞれの紙を売ることに同意しています。英ガーディアン紙によると、この紙は現在、10000ポンド(約155万円)以上の価値があると言われています。
Tracks社のオーナーであるポール・ウェインは次のように述べています。「現存するジミ・ヘンドリックスの手書きのものは極めて少なく、ジミとエクスペリエンスの他の2人のメンバーのサインが入ったものはさらに少ない」