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ニュージーランド国会、抗議デモを解散させるために「恋のマカレナ」や「My Heart Will Go On」の音の外れたリコーダーカヴァー等を流す

2022/02/15 15:29掲載(Last Update:2022/02/15 18:08)
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demonstrations against New Zealand's COVID-19 mandates  - Marty Melville/AFP via Getty Images
demonstrations against New Zealand's COVID-19 mandates - Marty Melville/AFP via Getty Images
ニュージーランドの首都ウェリントンの国会前で行われている、新型コロナウイルス・ワクチンの義務化に反対する抗議デモに対し、当局はデモ隊を解散させるために、バリー・マニロウの楽曲や、ロス・デル・リオの「恋のマカレナ」、セリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」の音の外れたリコーダー・カヴァー、『アナと雪の女王』の「Let It Go」、子供向けの曲「Baby Shark」などを流しています。

この抗議デモは2月8日に始りました。1週間近くも動こうとしないデモ隊を解散させるために、当局が工夫を凝らしています。

当局は当初、デモ参加者らが寝泊まりしていた芝生のスプリンクラーを付けて解散させようとしましたが、参加者が芝生に溝を掘ったり排水パイプを設置したりして水をよけ始めたため、このスプリンクラー作戦は中止。

5日目からは、トレヴァー・マラード議長の案で、楽曲を流す作戦が開始されています。

国会議事堂内のスピーカーからバリー・マニロウの音楽(「哀しみのマンディ」や「恋はマジック」など)、ロス・デル・リオの「恋のマカレナ」、新型コロナウイルスのワクチンに関するメッセージを大音量で繰り返し始めます。

地元のニュースサイト・Stuffによると、これらの曲は「世界で最も嫌われている25曲のプレイリスト」から選ばれたものとのこと。

これに対してデモ参加者からはブーイングが起こり、デモ参加者は、対抗してトゥイステッド・シスターの「We're Not Gonna Take It」を流しています。CNNによると、この曲は、先月末に同様の抗議活動を起こしたカナダのトラック運転手たちの間で、一種のアンセムになっているという。

当局のプレイリストは最近進化しており、CNNの報道によれば、セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」の音の外れたリコーダーの演奏(Matt Mulhollandによるもの、以下に音源あり)や、『アナと雪の女王』の「Let It Go」、 「Baby Shark」などのキャッチーな子供向けの曲も含まれているという。

さらに、イギリスのミュージシャン、ジェイムス・ブラントは、バリー・マニロウの楽曲を使っているというBBCの記事を受け、ニュージーランド警察に向けて「うまくいかなかったら、僕に声をかけてよ」とツイート。当局は彼の申し出に応じ、ブラントの楽曲も流しています。地元のラジオ局RNZによると、ブラントの「You're Beautiful」は何度も流され、デモ参加者は今ではほとんどの歌詞を知っていて、一緒に歌っているそうです。

マラード議長は週末にStuffに対して、周辺の住民はこの計画を支持していると話していますが、一部の野党議員や警察当局からは、この動きを子どもじみていると批判し、デモ参加者の足止めに拍車をかけているだけだと述べています。