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人々の移動が減少すると音楽ストリーミングの消費は減少する パンデミックで世界的に大幅減 最新研究結果

2022/02/15 13:52掲載
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listening to music
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最近の研究によると、新型コロナウイルスのパンデミックとそれに伴うロックダウンにより、人々の移動手段が減少したことで、多くの国で人々が動画プラットフォームを利用するようになったため、オーディオ音楽ストリーミングの消費が大幅に減少したことがわかりました。世界保健機関(WHO)が2020年3月にパンデミックを宣言した後、オーディオ音楽の消費量は平均して12.5%減少しました。

この研究は、マーケティング・サイエンスの協会INFORMSの学術誌『Marketing Science』に「Virus Shook the Streaming Star: Estimating the COVID-19 Impact on Music Consumption(新型コロナウイルスが音楽消費に与えた影響の推定)」と題して掲載されています。

韓国科学技術院(KAIST)のJaeung Sim博士は「世界保健機関(WHO)が2020年3月11日にパンデミック宣言を行った後、オーディオ音楽の消費は平均して12%以上減少しました。その結果、パンデミックの間、Spotifyは2020年の第1〜3四半期に8億3800万ドルの収益を失っています」「私たちの研究結果は、人間の移動がこれまで考えられていたよりも、はるかに大きな役割を、音楽のオーディオ消費に果たしていることを示しています」と述べています。

この研究はJaeung Sim博士が、同じくKAISTのDaegon Cho、ニューヨーク市立大学のYoungdeok Hwang、カーネギーメロン大学(CMU)のRahul Telangと共同で実施したもので、Spotifyのストリーミングデータを分析して結論を導き出したものです。

研究者たちは、2018年6月から2020年5月までの2年間、60カ国の週間トップ200曲を調べたほか、ロックダウンポリシーの違いや、Googleによる日々の詳細な移動情報も調べました。実証の結果、新型コロナウイルスの発生により、多くの国で音楽ストリーミングの消費が大幅に減少したことがわかりました。また、移動の低下が大きい国では、パンデミック時にストリーミングがより大きく下降したこともわかっています。

CMUのTelang博士は、「パンデミックはオンラインメディアプラットフォームに普遍的な利益をもたらすという一般的な予想にもかかわらず、音楽ストリーミングサービスに悪影響を与えたことがわかりました。今回の調査結果は、メディア消費の環境が大きく変化している中で、音楽のストリーミングサービスが、よりダイナミックで新鮮な体験を消費者に提供する他のメディアとの競争にさらされていることを示唆しています」と述べています。